ドノルマンディー住宅担当相は3月19日、ラジオ局フランス・アンテールのインタビューで路上生活者のためのコロナ対策を語った。政府は宿泊所開設やホテルの部屋確保などで5千万ユーロを投じる。外出規制で物乞いも困難になっている上、パリ、リヨン、バイヨンヌなどでは、路上生活者が「外出制限」を遵守していないと罰金刑に課せられるなどの事態も報じられている。
「政府が運営する施設で日々15万5千人が宿泊している。急を要するのは、数千人の、施設のない路上にいる人たち」。体育館のような宿泊所では感染が拡大しやすいため、イル・ド・フランス地域圏に全個室の施設を2カ所開設し、そこに新型コロナウイルスに感染していても症状がなく、病院に行く必要がない人150人を収容する。
それと並行してパリを中心にホテル170部屋を確保し、今週中にも使う予定だとした。今後ホテル大手アッコール・グループは全国で600部屋を提供する。
市民団体が行っている路上生活者への食事の配布なども、外出規制などで人手が不足している。教育省、デジタル省などと連携しつつ、数日中にもボランティアを募集するためのプラットフォームを設け人員を確保するとしている。路上生活者には外国からの難民も多いが「感染予防に関する情報などは、25カ国語に翻訳しています」。