「川崎病」など子どもの炎症性疾患増加――コロナウイルスと関係あり?


 フランスのメディアは4月29日、イル・ド・フランス地域圏(パリ首都圏)の小児病院で3~17歳の急性心筋炎や、「川崎病」に似た血管炎など炎症性疾患約20例が報告されたことを報じた。これらの患者にはコロナウイルスの感染が確認されており、同ウイルスと疾患の関係が疑われている。

会見に臨むフランス衛生局のサロモン局長。
炎症性疾患の増加を「注視している」と語った。

 急性心筋炎とは心筋の炎症性疾患で、発熱、嘔吐・下痢、食欲不振などの症状から不整脈、胸痛、腹痛、呼吸不全などの心不全の徴候を示し重篤化することもある。原因の多くはウイルス感染とされている。

また、川崎病は主に乳幼児に起きる、全身の血管壁に炎症が起きる急性の血管炎症候群で非常にまれな病気。発熱、結膜の充血、口唇の紅潮、発疹、手足の硬性浮腫などの症状が出る。原因は不明だが、カビ、細菌、ウイルスなどの病原微生物の体内侵入により過剰な免疫反応を引き起こすことが発症の引き金になるのではないかと考えられている。

まず26日に、子どもの炎症性疾患の増加と新型コロナウイルスとの関係にイギリスの公立病院が機関紙で懸念を示した。翌日、パリ首都圏の5つの小児病院が15日以来、3~17歳の約20例があったと仏保健当局に報告。死亡例はないものの、通常ならパリ首都圏全体で月1件未満の症例が、半月で20例も生じたことに懸念が高まっている。イタリア、スペイン、スイスなどでも同様の報告がされているという。

サロモン保健総局長は30日に仏紙のインタヴューに応じ、「この増加報告を注視している」と述べた。心筋・血管の炎症症状が出ると入院治療が必要になるため、保護者は子に症状が出たら家庭医や小児科医に直ちに診察することを勧めた。また、コロナウイルス感染との関係を探るために抗体検査を進めているとした。

パリのネッケール小児病院蘇生科のシルヴァン・ルノロー医局長は、ウイルスの有無を検査するPCR検査または抗体検査(血清検査)の結果、Covid19の感染歴があることが全員確認されていると明らかにした。しかし、ヴェラン保健相はコロナと炎症性疾患の因果関係は現時点ではまだ確認できていないと発言。世界保健機関(WHO)も注目するこの件の今後の成り行きを見守りたい。(し)


 

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