「人間は記憶でできている。 どうしようもない些末な記憶ですら、それらは複雑にその人に根ざし、その人を形成している。」
認知症になり記憶を失ってゆく母親と、もうじき子どもが生まれ父親になろうという息子。ふたりの断絶と和解を描きながら「記憶」とは何なのかを問う、川村元気監督の『百花』が、3月1日(水)、フランスで公開される。
本作は第70回 サン・セバスティアン国際映画祭で最優秀監督賞を受賞。2018年、第71回カンヌ映画祭では「どちらを選んだのかはわからないが どちらかを選んだことははっきりしている」がコンペティション部門にノミネートされるなど、これからの活躍が期待される若手監督だ。
川村氏は小説家でもある。この映画の原作となった『百花 N’oublie pas les fleurs』はフランス語にも翻訳されており、『世界から猫が消えたなら(Deux milliards de battements de coeur』(2012)などとともに好評だ。
主人公の泉役には、ミュージシャン活動も行い、俳優として数々の賞も受賞している菅田将暉(すだまさき)。母親役は原田美枝子。記憶のなかの若い母と、その20年後の記憶を失ってゆく母親も演じきる。ほかにも長澤まさみ、永瀬正敏。
【あらすじ】
レコード会社に勤務する葛西泉と、ピアノ教室を営む母・百合子。ふたりは、過去のある「事件」をきっかけに、互いの心の溝を埋められないまま過ごしてきた。そんななか、百合子の認知症が始まる。
ある日、泉が百合子の部屋で見つけた日記には、あの「事件」の真相が綴られていた。
百合子は「半分の花火が見たい…」と繰り返しつぶやくようになる。「半分の花火」とは? その「謎」が解けたとき、息子は母の本当の愛を知ることとになる。
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〆切:3月1日(水)午前10時