中川あい子さん(40歳)
11区、オベルカンフ界隈。中川あい子さんがシェフを務めるL’Acolyte de l’insoliteは、昼夜を問わず、流行に敏感な地元っ子で賑わっている。
フランス料理を志したのは、子供の頃の経験から。「地元のフランス料理店に両親に連れていってもらい、夢のような空間に自分がお姫様になった気分がして、フランス料理はすてき!と憧れました」。渡仏は2006年。パリで、自分の働きたい店を探して食べ歩きをした。ある時訪れた15区Le Beurre Noisetteの料理に感銘を受け、働き始めた。ブーダン・ノワールやリエット、テット・ド・ヴォーなど、クラシックなビストロ料理を習得した。6年ほど働いた後、KEIへ入店。グランメゾンの緊張感はあったものの、毎日学びがあり楽しかった。店では、魚と肉、それぞれの焼き場を任された。「KEIで学んだ絶妙な火入れ具合は、今でも自分の基準です」。
その後、今の店の前身である11区La Cave de l’insoliteへ。スコンドを経て、シェフとなった。「南西部の農家さんから豚を1頭買いしていて、豚の色んな部位を使い、シャルキュトリーから手作り。新鮮な食材を扱えて、良い経験になりました」。現在の店は、昨年の4月から。ビストロだが、ロックダウン中のテイクアウトにたこ焼きを売り出したところ大好評。今もメニューに残す。「小さな店なので、前菜・メイン各4種と限られますが、ベジタリアン、季節食材、和食材、フォアグラなど定番を上手に組み合わせて、選ぶ楽しみを感じてもらう工夫をしています」。
将来は11区でクラシック・ビストロをやりたい、という中川さん。「時代に逆行しているかもしれないけど、ギャルソンが蝶ネクタイして、赤白チェックのナップが敷いてあるような、そんな店をいつか開きたいです」。(恵)
L'Acolyte de l'insolite (ラコリット・ド・ランソリット)
Adresse : 49 rue de la Folie Méricourt, 75011 ParisTEL : 09.8325.9578
アクセス : M. Parmentier / Oberkampf
Instagram @lacolytedelinsolite / 月〜金 12h-14h 19h30-22h30 土日休