Château de Suscinio
モルビアン湾と大西洋を仕切るように延びるリュイス半島。シュシニオ城はその大西洋側に建っている。ヴァンヌからは25km、城と海の間には湿地帯が広がる。建造された800年前は、満潮になると城の足元が海水に浸り、堀もその水で満たされていたそうだ。
この城が文献に登場するのは1218年だが、ブルターニュ公国の支配権を得たモンフォール家が城主になるのは14世紀。上階の住居部分に入ると、そのモンフォール家フランソワ1世のもとにスコットランドから嫁いできたイザボー・デコス(1426-94)が見学者を迎える。
今や夫フランソワは亡くなり公妃ではないが、この城の管理をしつつ、現ブルターニュ公の娘アンヌ(ド・ブルターニュ)を嫁がせる計画を練っているところだという。そのアンヌこそ、後にフランス国王シャルル8世の妃となる人物だから(おまけにその次の国王ルイ12世とも結婚!)彼女も真剣なのだ。と、そんな話を聞きながら、寝室、浴室、トイレや衣装室(見学者は衣装を着ることも可)、テーブルが整えられた宴の間を案内してもらう。城壁に登り大海原を眺め、ブルターニュ公気分を満喫しよう…。
余力があれば外に出て、堀を小舟で一周することもできる。こちらは自分で漕がないといけなくて家臣の気分。オールに水中植物が引っかかり重たくなるのを家臣仲間にとってもらったりしながら水面を進む。
海のほうへ行くなら野鳥観察の遊歩道があるから、城で望遠鏡を借りて行こう。これらの活動は入場料に含まれている。
4〜6月と9月は10h-19h。10月は-18h。
11.50€/6€/10歳未満無料。バス24番で国鉄ヴァンヌ駅前からバス24番。
最寄り停留所はPEMSarzeauだが、そこから4kmほど。www.suscinio.fr
庭園内に軽食処や城の徒歩圏内にクレープ屋さんもある。庭や砂浜でのピクニックも楽しめる。
【特集】ヴァンヌとモルビアン湾、以下もあわせてお読みください。
〈その1〉海と町がひとつになった町、ヴァンヌ。
〈その2〉ヴァンヌから、船に乗ってモルビアン湾の島へ。
レストラン:魚市場の賑わいで、ミュスカデで焼き魚。