シャンパンが出てきてポーンと栓が抜かれると、食卓がたちまち華やかなものになる。フランス人は、ぼくはモエ・エ・シャンドン、わたしはヴーヴ・クリコなどと、好きなシャンパンが決まっていることが多い。なぜなら、ピノ・ノワールやムニエといった黒ブドウ、シャルドネという白ブドウのブレンド具合、さらには年や畑の違うリザーブワインを混ぜ入れたりしながら、毎年、各銘柄ならではの一定した香りと味を作ることに精を出しているからだ。
シャンパンには、甘口doux、やや甘口 demi-sec、辛口 sec、極辛口 brutとあって、どれを飲むかは好みの問題だけれど、料理と一緒なら辛口や極辛口、デザートと飲むならやや甘口がいいだろう。
あまり冷やし過ぎると香りや味がわからなくなる。ふつう8度、ミレジメなら10度くらいというのが飲みごろだ。注ぎ方だが、最初から一度にグラスを満たそうとするとあふれてしまうので、2、3回に分けて静かに注いでいく。
グラスは、クープと呼ばれる浅くて口が広いものは炭酸が抜けやすいので最近はすたれ、フリュートという細長いものが、炭酸が抜けにくく、泡が立っていくのがきれいに見えるので主流になっている。