
Ceija Stojka, sans titre, 1995 acrylique sur carton. © Ceija Stojka, Adagp, 2017 Courtesy Collection Antoine de Galbert
Ceija Stojka, une artiste rom dans le siècle
オーストリアのロマの家庭に生まれたセイヤ・ストイカ(1933-2013)は、50代半ばに突然描き始めた独学のアーティストだ。
彼女が描くのは、幸せだったころの家族の生活、ナチスに強制収容所に送られたこと、そしてそこで見たものだ。1943年、家族とアウシュヴィッツ・ビルケナウ強制収容所に送られた。44年に姉の一人と母と一緒に女性収容所ラーフェンスブリュックに、45年に母とベルゲン・ベルゼンに移され、そこで英軍に解放された。
当時10-12歳の少女の記憶に焼き付いたものは、40年後に文章と絵になってほとばしり出た (ストイカは回想録も出版している)。ガス室、裸の人々、列車で到着する人々、銃殺される人々、強制労働…デッサンからもアクリル画からも、作者の思いが伝わる。巨大な目の作品の白目の部分にはガス室の煙突、鉄条網、ハーケンクロイツ(かぎ十字)が描かれている。
アカデミックな技術はないが表現力がすごい。アクリルは手で直接描いたりしている。なんというものを見てしまったのだろうと思う。ストイカは、長い間その実態が知られていなかった、ロマのホロコースト被害の最初の証人となった。オーストリアのロマの人権擁護者としても活動したという。(羽)
5月20日まで、月火休。

La maison rouge
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