Marriage Story|嵐の後にも、穏やかな愛情のかけら 2020-01-21 舞台・映画 0映画 『フランシス・ハ』で知られる俊英ノア・バームバック監督の長編8本目にして、アカデミー賞有力候補の話題作。Netflix作品のため、フランスでは興行者や製作者の利益を守る法律が足かせとなり劇場公開がない。だがネット上では気軽に見られるし、どうしても映画館で見たければ隣のベルギーに行 [...]
実力派俳優Cエックがハエ男を好演『La Mouche 蠅』 2020-01-20 舞台・映画 0日曜営業パリ10区 『蠅』といえば、デヴィッド・クローネンバーグ監督の『ザ・フライ』(1986)がまず頭に浮かぶ。『ハエ男の恐怖』(カート・ニューマン監督、1958)のリメイク作品で原作はジョルジュ・ランジュラン。パリ生まれのイギリス人で英仏語をあやつり、第二次世界大戦中はイギリスの諜報機関でスパイ [...]
宇宙飛行士とママ業の両立。『PROXIMA』 2019-12-18 舞台・映画 0 ミテフスカ、ズロトヴスキ、シアマ、ディオップ、メドゥール……。まるで何かの呪文のようだが、これは2019年に本欄で紹介した女性監督の名。そして今年最後の記事もまた、図らずして女性監督の作品になった。「女性らしい感性」などという表現は避けたいが、それでもこのドラマの設定には唸(うな [...]
コスモポリタンな監督の憂鬱『It Must Be Heaven』 2019-12-03 舞台・映画 0 キリストが育ったイスラエルの聖地ナザレ。高台にはレモンの木がある家が建ち、無口なパレスチナ人ES氏が住む。演じるのは本作の監督エリア・スレイマン本人だ。彼の生活は奇妙な日常の断片で出来ている。国際派の彼は飛行機で海外にひとっ飛び。パリではプロデューサーに新作の企画を売り込むが、「 [...]
“お坊さんも変わっていかなければ ” カンヌ映画祭・特別招待作品『典座-TENZO-』 2019-11-22 舞台・映画 0インタビュー読者プレゼント *『典座-TENZO-』の招待券プレゼント* カンヌ映画祭の批評家週間に特別招待された『典座-TENZO-』は、曹洞宗のお坊さんが主役の異色作。ワールドプレミアには袈裟をまとった日本の僧侶が多数参加し、華やかな南仏のコート・ダジュールでフラッシュを浴びた。“ZEN文 [...]
時代を締めくくる「バンリュー映画」の決定打。 『Les Misérables』 2019-11-19 舞台・映画 0 パリの北東に広がるセーヌ・サン・ドニ県。2005年にはクリシー・ス・ボワ市で、警官に追われたアフリカ系の少年が変電施設に逃げ込んで感電死し、国を揺るがす暴動に発展した。1980年生まれのマリ系フランス人ラジ・リは、その隣町モンフェルメイユで育った監督。自身がよく知る郊外が舞台の本 [...]
第14回 キノタヨ現代日本映画祭「日本映画の多様性」フランスで紹介 2019-11-13 舞台・映画 0読者プレゼント *「第14回 キノタヨ現代日本映画祭」招待券プレゼント* フランスに昇る輝く “金の太陽”こと「KINOTAYO」。今年もフランス最大の邦画の祭典キノタヨ映画祭がやって来た。昨年度は日本文化の祭典「ジャポニスム2018」の影響で日程が後ろ倒しされ、例外的に年明けの開 [...]
“手”は思い出すー『J’ai perdu mon corps』 2019-11-08 舞台・映画 0 昨今、劇場では「大人の鑑賞に耐える」ではなく、はなから「大人がターゲット」のアニメの健闘が目立つ。最近では『Buñuel après l'âge d'or /「黄金時代」後のブニュエル』や『Hirondelles de Kaboul /カブールのツバメたち』があった。その流れの一 [...]
「オリエントの星」ウム・クルスームに捧げるミュージカル。 2019-10-24 舞台・映画音楽 0パリ10区 Oum Kalthum/ Farid Al-Atrash|spectacle musical イスラエルのヤッファにあるアラブ=ヘブライ劇場を拠点に活動を続ける劇団による、今は亡きエジプトの大歌手ふたりを主人公にしたミュージカルに出かけてみよう。 27日( 21hの公演はキャンセ [...]
複雑な祖国愛が投影されている。 『Papicha』 2019-10-14 舞台・映画 0 政府軍とイスラム過激組織の対立が激化した90年代のアルジェリア。武装イスラム集団は市民も標的にテロを繰り返した。本作は「暗黒の十年」と呼ばれた息苦しい時代が背景にある。 [...]