カンヌ映画祭とアヴィニョン演劇祭の行方

 マクロン大統領の4月13日の演説を受け、フランスは大型イベントが7月15日まで開催不可に*。ちょうどこの時期に引っかかったのが、国が誇る二つの芸術の祭典。1つは例年5月中旬に開催される世界最大の映画祭、カンヌ。コロナ禍で6月末~7月頭の開催を目指していたが、現在は別のシナリオを模索中だ。もう1つが世界最大の演劇祭、アヴィニョン。4月8日に本演劇祭ディレクターで劇作家・演出家のオリヴィエ・ピィが、史上初のヴァーチャル記者会見を実施。演劇祭実現に意欲を見せたが、政府決定を受け中止を決めた。

 カンヌとアヴィニョンはもはや単なる芸術祭ではなく、ともに町の経済を支える大イベントだ。さらに双方とも新作のショーケース的な機能も併せ持つ。つまり国内、海外へと作品を発進させる巨大な打ち上げ装置だ。重要な芸術祭の延期や中止は各業界に深刻な影響を与える。

アヴィニョン国際演劇祭の源となった、1947年「アートの一週間」芸術祭ポスター。

 他の有力映画祭が次々とインターネット上へと舞台を移すなか、カンヌはヴァーチャルでの開催は否定。ただし、作品を売買する映画マーケットは6月22日~26日に行う。肝心の映画祭本体だが、現在はヴェネチア映画祭との協働の動きもある。実現すれば70年以上ライバル関係にあるトップ映画祭同士の初のコラボが実現。未曾有のパンデミックで恐怖や絶望が世界を覆うなか、芸術の力は希望の灯火となるだろう。

 アヴィニョンは中止を発表したが、全てを諦めたわけではない。本演劇祭創設者のジャン・ヴィラールが、1947年の立ち上げ期に開催した芸術祭「アートの一週間」へのオマージュとして、夏に上演予定だった作品の一部を9月に上演する催しを企画中だ。秋までにコロナの猛威が収まるか、映画、演劇ファンや関係者は、固唾(かたず)を呑んで行方を見守ることとなる。(瑞)

*4月28日のフィリップ首相の外出規制解除の方針で、フランスでは5000人以上が集まる大型イベントが8月いっぱい開催不可となった。


 

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