パリの街が変わっていく…(2)。 2021-03-23 パリの出来事 0 サン・ミシェル広場からジベールがなくなる。 サン・ミシェル広場の書店「Gibert Jeune」が3月末で閉店となる。2、5、6、10番地と、広場を囲むように並んだ店舗。数ヵ月前から納品がない店内はガランとし、店の前に並んでいた特売本棚やワゴンもほぼなくなった。掘り出しものを探 [...]
パリの街が変わっていく…(1)。 2021-03-22 パリの出来事 0 シテ島の鳥市、さようなら。 シテ島に花市が開設されたのは1809年だが、ここで鳥市が始まったのは1881年のこと。今でも毎週日曜になると、普段は植物が売られている場所に鳥商人たちが陣取って、鳥や鳥籠、備品、エサなどを販売する。子どもも大人も珍しい色に驚いたり、澄んだ鳴き声にうっ [...]
モンテーニュの食と喜び〈第7回 〉キャベツを植えながら 2021-02-19 モンテーニュと食の喜び 0連載コラム 16世紀のフランスが生んだ思想家モンテーニュは、「世のあらゆる知恵と理論が、結局は、われわれに死を少しも恐れないように教えるという一点に帰着する」(原二郎訳)としている。だからこそ、死を前に動じるところのない農民の姿にふれて心を打たれたのだろう。「素朴な百姓たちは紳士である。哲 [...]
Made in France – CREPIN-PETIT社のボタン 2021-02-05 MADE IN FRANCE 0連載コラム CREPIN-PETIT社のボタン 昨年春のロックダウン終了直前に営業を許可された手芸屋mercerieに、マスク作りの材料を買いに行く人が殺到したことは、まだ記憶に新しい。以前よりは少なくなったものの、手芸屋は見るだけでも楽しいもの。ボタンを1873年から作り続けている北部 [...]
モンテーニュの食と喜び〈第6回 〉王家と農家のはざまで 2020-11-07 モンテーニュと食の喜び 0連載コラム 王家とつながりの深い新興貴族の家に生まれ、ボルドーの市長を2期務めたモンテーニュ。一部の古代人の習慣を引き合いに出し、「あらゆる種類の豪遊、放蕩、快楽の工夫、遊惰、贅沢等においては、われわれもたしかに、彼らに匹敵するだけのことをしている。というのは、われわれの意志も、彼らと同じ [...]
連載Made in France – Babolat のテニスラケット 2020-10-15 MADE IN FRANCE 0連載コラム 先日閉幕した全仏オープンではフランス人選手の活躍は今一つだったが、フランス人はテニス好きが多い。4大大会は熱心に観戦するし、プレーヤー数は世界でも最多レベル(仏テニス連盟加盟者は98万人)。 [...]
モンテーニュの食と喜び〈第5回 〉 優しさのなかの厳しさ 2020-10-09 モンテーニュと食の喜び 0連載コラム 教育は「優しさの中に厳しさをこめて」と説いた思想家モンテーニュは、子供が幸せに生きていくためには、ときに過酷な経験をさせることも重要だとしている。「お子様を苛烈な訓練に馴らし、そうして脱臼や、疝痛(せんつう)や、焼灼(しょうしゃく)や、牢獄や、拷問などの艱難(かんなん)辛苦にも [...]
モンテーニュの食と喜び〈第4回 〉子どもには、甘くやさしく? 2020-09-10 モンテーニュと食の喜び 0連載コラム モンテーニュの父親は、時の王フランソワ一世が文芸に寄せる愛着に大いに影響されていた。自らに高い学識はないものの、いや、むしろないからというべきか、知識人に強い憧れを抱いていたこの好人物は、愛する息子にはぜひ立派な教養をつけてやろうと考えた。そこで、当時の知識人が共通言語として使 [...]
モンテーニュの食と喜び〈第3回 〉 自分と人にやさしい食 2020-08-09 モンテーニュと食の喜び 0連載コラム 「私は普通の精神しかもっていないから、肉体的な幸福によって自分を支えなければならない」(原二郎訳)とその著書の中で明言しているモンテーニュ。「われわれは年齢が、われわれの手から次々と奪い去る生活の楽しみを、歯と爪でもって食いとめなければならない」と、快楽に執着する自分の姿をさらけ [...]
モンテーニュの食と喜び〈第2回 〉じらして得る快楽 2020-07-09 モンテーニュと食の喜び 0連載コラム 16世紀フランスの思想家モンテーニュは、快楽を求めるルネサンス人だった。定期的に行う断食にしても、特に老人になってからは、食欲を刺激して食べることを楽しむためだとしている。「私は、ゆっくりと少なく食べ、そして何べんにも食べるほうが健康によいと思う。けれども、食欲と空腹にもその真 [...]