現実と虚構の交錯 2000-09-15 本 0 ●Weitzmann “Mariage mixte” この小説の基盤には実際に起きた不可思議な事件がある。9歳の子供が行方不明になり、妻と別居していた父親が殺人容疑で逮捕される。一時釈放された彼は逆に妻に容疑をかけ、私立探偵を雇って幾つかの証拠らしきもの [...]
セリーヌの声 2000-07-15 本 0 ●Anthologie Celine フランス、日本でも年々、セリーヌの読者は増えている。昨年はガリマール社の文庫シリーズのひとつ、Imaginaireシリーズでセリーヌの博士論文が再版されたが、先頃、すでに入手不可能であったセリーヌのレコードがCDで再版された。 このCD [...]
フィリップたちの官能小説。 2000-06-15 本 0 日本でも知られるフィリップ・ソレルスの新作『Passion fixe』、そして『ベティー・ブルー』の原作を書いたフィリップ・ジアンの『Vers chez les Blancs』。彼らの新作はいずれも「官能的」だ。 ソレルスにおける「官能」は、小説の中でTaoが多く語られるよう [...]
サルトルとB… 2000-05-15 本 0 ●Lignes, nouvelle serie, “Sartre-Bataille”, mars 2000 今年の頭からフランスのメディアにサルトルがよく登場している。サルトルについての本がいくつも出版され、雑誌・新聞での特集はもちろん、サルトルの名が付く [...]
冬は文学賞の季節。 1999-12-01 本 0 ●Je m’en vais, Jean Echenoz editions de Minuit, 1999 : Prix Goncourt 地図で北極はなかなか見づらい。それは世界地図の上部にある直線であるか、飛行機から見るような一つの点でしかない。前者の場合は側面し [...]
ガイドブックはなにがいい? 1999-07-15 本 0 夏休み。フランス各地を発見してみたいが、ガイドブックはなにがいいだろう。 人気があるのはGuides Gallimard。カラー写真が豊富だし、たとえばプロヴァンス地方に限っても “Var”、”Bouches du Rhone” [...]
礼儀を教えてやるからね 1998-03-15 本 0 ■ J.-L. Fournier / Je vais t’apprendre la politesse (Payot) 他人を尊重することは礼儀から、と「礼儀」を教科に取り入れる中学校が増えているという。若者を対象としたこの本は、大上段からではなく、ユーモアたっぷりに [...]
育児の国際比較 子どもと社会と親たち 1998-03-01 本 0 同じ子育て中のフランス人E君と話していて、うちは赤ん坊と「川の字」で寝てるなんて口をすべらしたら「とんでもない!」と首を振られたことがありました。でも子どもがまん中じゃあないよ、なんて苦しい弁解をして笑ってすませたのだけれども、この本に出ているデータを見て、びっくり。フランスの [...]
ドレフュス事件を勉強する 1998-02-15 本 0 ■ J’ACCUSE ! (librio) ドレフュス大尉の無罪を訴えた、ゾラの「私は弾劾する!」が発表されてから一世紀。その全文を10フラン文庫で読むことができる。事件の概要や注釈もしっかり書かれているし、ゾラのインタビューや当時の新聞記事も載っていて、ドレフュス事 [...]
座って読める本屋さん 1998-02-01 本 0 ■Extrapole 誰にでも自分のお気に入りの本屋というのがあると思う。私の場合、種類にも質にもこだわっていて、立ち読みしても嫌な顔されないのが最低条件。横浜の某 書店では、ふかふかのソファーに座って好きなだけ本が読めるようになっていて、なかなか素敵な気配りだと思った。座って [...]