あん肝はどこへいってしまうのだろう。 2013-08-15 ノルマンディーの作家と食 他 0 フランスでもアンコウlotteは、小骨がないこともあって人気魚で高価。でもあん肝は見当たらない。 日本なら酒蒸しにして、もみじおろし、ユズを添えたポン酢で食べたりしたら極上の一品。身と一緒にちり鍋も素晴らしい。 フランスでは、一部はレストランに流れたり、加工されたりするのだろう [...]
デュマ、食の物語 -4- 2013-07-23 ノルマンディーの作家と食 他 0 アレクサンドル・デュマの名作『三銃士』には思わず笑ってしまうようなエピソードがいくつもあるが、それは食にまつわる話であることが多い。そんな時に頻繁に登場するのが、三銃士の中でも一番食いしん坊のポルトス。その中でも傑作は、従姉のコクナール夫人に招かれた時の話だ。闘いに明け暮れて家 [...]
最初にアルティショーを食べた人は飢えていたのかな? 2013-07-08 ノルマンディーの作家と食 他 0 ボクが最初にアルティショー(アーティーチョーク)と対面したのは、もうひと昔、大学都市の食堂だ。「未知との遭遇」というコトバがぴったりで、目の前に暗い灰緑色の大きな塊がある。ビネグレットソースらしきものが添えられているけれど、二つに切るのか、かぶりつくのか見当がつかない。周りを見 [...]
デュマ、食の物語 3 2013-06-22 ノルマンディーの作家と食 他 0 『三銃士』の主人公、田舎貴族のダルタニャンはフランス南西部ガスコーニュ出身。老いた馬にまたがった若者は、立身出世を夢見て上京する。そんな彼がまず会いに行ったのが、トレヴィル殿。ダルタニャンと同郷で、「一文なしで、ただ勇気と機知と分別を資本にして郷里を出て来」(生島遼一 [...]
朝市のジャガイモ屋さんは力持ちが多い。 2013-06-08 ノルマンディーの作家と食 他 0 最近は見かけなくなってきたが、大きな八百屋には、端の方にジャガイモを売っているスペースがあった。見習いっぽい、かけ出しだけれど力がありそうな若い男が「Madame, combien…?」 などと注文を聞いてから、手袋をした手で秤用の入れ物にドサドザッとジ [...]
佐藤真『パリっ子の食卓』 2013-06-03 ノルマンディーの作家と食 他 0 オヴニーに連載を続ける(真)こと佐藤真のレシピ本が復刊されました。時代の流れに動かされない、フランス人の血と肉をつくってきた家庭料理が取り上げられているので、今も十分に使えるレシピばかり。それにまつわる話も面白い。 この本でフランス料理と親しんでいったファンの感想は̷ [...]
デュマ、食の物語 2 2013-05-23 ノルマンディーの作家と食 他 0 アレクサンドル・デュマの父にあたるトマは、フランスの貴族と植民地の黒人女性の間に生まれた混血児だった。デュマはこの父を英雄視して、そのりりしい容姿や驚くべき身体能力について得意げに紹介している。そんな父の血を受け継いだデュマも、運動神経が抜群。4歳の時に父親とは死別したものの、 [...]
ローストチキンの味は、フランス風日曜の家族団らんの味。 2013-05-08 ノルマンディーの作家と食 他 0 この欄で、階段に流れる赤ピーマンを焼く匂いのことを書いたけれど、流れる回数でいったらチキンを焼く匂いにはかなわない。 このローストチキンpoulet rôti、フランス人は飽きることがない。肉屋の店頭でも、串刺しにされたチキンが10羽も20羽もクルックルリと 回りな [...]
デュマ、食の物語 ① 2013-04-20 ノルマンディーの作家と食 他 0 アレクサンドル・デュマは、19世紀にフランスで活躍した作家だ。『三銃士』『モンテ・クリスト伯』などの歴史小説は当時の新聞に連載されて空前の人気を博し、現在でも、フランス国内はもちろん、世界中で読みつがれている。劇作家として27歳のときにデビューしたデュマは、生涯を通じて書き続け [...]
階段を、甘酸っぱく香ばしい匂いが昇っていく。 2013-04-10 ノルマンディーの作家と食 他 0 日曜のお昼に、パリ19区の下町に住む友人宅に招かれた。エレベーターのない建物で、息を切らしながら5階を目指して階段を上っていると、どこからか甘酸っぱく香ばしい匂いが流れている。これは? と立ち止まったとたんボクは30年前に戻り、当時住んでいた11区のルドリュ・ロラン [...]