スタジオジブリの映画『もののけ姫』のタピスリーが、パリにやってきた。ユネスコ世界無形文化遺産に登録されている「オービュッソンのタピスリー」が、スタジオジブリとの提携のもとに2019年から進めている「オービュッソン、宮崎駿の想像世界を織る」プロジェクトの一環で織られた作品が、パリ7区のケ・ブランリー美術館のエントランス・ホールに展示された。
「オービュッソン、宮崎駿の想像世界を織る」は、仏中部の町オービュッソンにある「オービュッソン国際タピスリーセンター」がフランスでも絶大の人気を誇るジブリのアニメーション映画から場面を選び、下絵を作り、全5作品を巨大なタピスリーに織り上げるという計画。今年6月16日には第4作目が完成し、織機から切り離すセレモニー(トンベ・ド・メチエ)とお披露目会がオービュッソンで行われたばかり。
今回ケ・ブランリー美術館の一階ホールに掲げられたのは、その第一弾の作品で『もののけ姫』の一場面「腕についた呪いの傷を癒すアシタカ」。このプロジェクトは、オービュッソンの町のタピスリー工房が、作品ごとに入札制でプロジェクトを請負うシステムになっている。展示オープニングには、この第1作目と第4作目を担当したアトリエ・ギヨの職人さん3人(3人は家族)も参加した(冒頭写真)。
息子さんのリュックさんは「ここで展示されてとても嬉しい。さまざまな素材(木の皮は羊毛、岩は麻、など)太さの糸を使って、木の皮、苔、岩などさまざまな質感をとてもよく表現できたと思う。右上から陽が射して緑が輝き、奥行きと立体感もある。強いて言えば、射す光が、もう、ほんの少し強くてもよかったかなとは思います」。
展示は8月27日まで。
同美術館では « ケブランリー美術館の夏の庭 Jardin d’Eté au musée du quai Branly » と題して、日本をテーマに屋外映画上映(スタジオジブリ作品ほか)、アトリエ、お話会など子どものための活動が予定されているそうだ。無料のアクティヴィティーも多く、また、水木しげるの漫画も登場するというから、プログラム発表が楽しみだ。
Musée du quai Branly - Jacques Chirac
Adresse : 37 Quai Branly , 75007 Paris , FranceTEL : 01 56 61 70 00
アクセス : Ecole Militaire / Pont de l'Alma / Iéna
URL : https://www.quaibranly.fr/fr/
月休。火〜日 :10h30 — 19h、木-22h。