「ポワスカイユ」は、持続可能な漁法で獲った近海の魚介類を詰め合わせた「パニエ」にして一定の場所に配送する会社だ。創始者のシャルル・ギリエクさんは農水省で大型漁船に補助金を出す仕事をしていたが、「世界を変えたい」と、2015年に小型漁船を援助するこの仕事をイヴ・アンセルムさんと始めた。
ノルマンディから地中海沿岸、レマン湖まで、協力漁師は60人。彼らから魚介類を通常の市場価格より高い値段で買いとる。持続可能な漁法にこだわり、漁船の長さは12メートル以下、乗船する漁師は3人まで。底引き網は使わず、一本釣りなどの漁法を使う。全てフランスで獲れた天然の魚介類だ。マグロは扱わない。魚介類は獲れてから48時間以内に120の配送拠点に届く。消費者は、登録時に毎月の注文頻度と配送拠点を決める。どんな魚が獲れるかは海任せだが、注文の前日に獲れた産物が知らされるので、その時に詰め合わせてもらう中身を選ぶことができる。魚と貝類の組み合わせや甲殻類のみも可能だ。魚は丸ごとの状態で届くので、さばき方を説明するビデオもある。ボラなど、よく獲れるが安い魚と、舌平目などの高級魚を平等に扱うことで乱獲と闘い、漁師の生活を安定させ、人類が長く魚を食べ続けることができるようにするのが使命だという。(羽)