大物アーティストの回顧展で、「行ってよかった」と思うのは、作家の知らなかった側面を発見できたときだ。 このミロ展では、若い頃に描いた意外な作風の風景に惹かれた。故郷カタルーニャにある農場をナイーヴアートとキュビスムが混じったような作風で細部まで描いた。ヘミングウェイが購入し、現在はワシントンの美術館にある。
展覧会を見ていくと、カタルーニャの自然が美術家ミロの原点だとわかる。パリに出てきてアーティストたちと交流したが、カタルーニャの小村モンロッチには何度も戻った。第二次大戦が勃発する直前、モンロッチの静けさを求めてノルマンディーの田舎に避難した。
この時期、1939年から41年にかけてグアッシュで描いた23枚の連作 「Constellations星座」が何度見ても素晴らしい。薄く墨を流したような背景から、黒い線でつながれた物体が浮き上がる。戦時の闇から生まれた奇跡のような夢の風景。戦争中、暗い絵を描いた画家は多いが、ミロはこの連作で新境地を開いた。(羽)
2月4日まで
Grand Palais
Adresse : 3 av. du Général Eisenhower, 75008 Parisアクセス : M°Champs-Elysées-Clemenceau
URL : http://www.grandpalais.fr/fr/evenement/miro