深夜0時までオープンしているパリ16区の現代アート美術館パレ・ド・トーキョーは、夜行性を自認する人にとって便利なアドレスだ。ある晩、ふらっと足を運んでみたら、いつもはスケーターの聖地と化する広場に、ダンスに興じる一群が。流れてくるのはブルースやフュージョンの心地よいリズム。徐々に翳(かげ)りゆく空と、反対に輝きを増すエッフェル塔のサーチライトのもと、みなペアとなり楽しそうに揺れていた。
ここ数年、パリではこんな屋外のダンス・アトリエをよく見かける。有名なのは映画館MK2ビブリオテーク前広場の「Dansons En Plein Air」。PUC(パリ大学クラブ)が主催するイベントで、今年で四年目の人気企画。「大学」といっても、誰でも無料で参加可能だ。ロック、スイング・ジャズ、サルサといったリズムで踊れる。
またジュシュー駅近くのセーヌ河岸では、サルサ・アトリエが開催されている。こちらも誰でも参加無料だが、みなで飲食物を持ち込み、分け合うのがお約束。他の参加者と親しくなれそうだ。
夏はクラブやディスコに行かずとも、空の下がそのままダンスホール! 過ぎ行く夏を惜しみながら、恋人と友人と、ステップを刻んでみてはいかが?(瑞)
「La Belle Blues Paris」:l’esplanade du Palais de Tokyo16e 木曜20h30-23h30
「Dansons En Plein Air」:162 Avenue de France13e 日・月をのぞく毎晩19h30-23h
「Quais Salsa2017」:l’esplanade Jussieu月・火を除く毎晩19h(週末は17h)-23h
すべて9月上中旬まで開催予定。