Golem! Avatars d’une légende d’argile
ゴーレムはユダヤ教の伝説に出てくる人造人間。ラビ(ユダヤの律法学者)が泥から作り、儀式を行って生命を与えた。ユダヤ社会を守る目的で作られたゴーレムは、通常は創造者に従順だ。ニキ・ド・サンファールがエルサレム市長の注文で作ったゴーレムは、見かけは奇怪だが、赤い舌が滑り台になっている、子どもたちの保護者だ。しかし、ゴーレムは一歩間違うと狂暴化し、破壊者になる。人間の益になるために創ったものが人間を破壊する。この保護者と破壊者の二面性は、多くの芸術家を魅了してきた。人造人間という意味で、ロボットもゴーレムの延長線上にある。会場には、ゴーレムからインスピレーションを得たチェコの作家、カレル・チャペックの戯曲「ロボット(R.U.R.)」を映画化した作品のビデオがある。人件費節約のため、資本家が従業員を解雇してロボットで代用させようという話は、1920年の発表当時はSFだったが、今では現実のものになっている。それを思うと背筋が寒くなる。(羽)
Musée d’art et d’histoire du Judaisme
Adresse : 71 rue du Temple , 75003 Paris7/16迄 月休