澄んだ青空に恵まれた4月半ばの日曜日。セーヌ河岸は初夏のような陽気を満喫する人たちでいっぱいだ。
「Parc Rives de Seine/セーヌ河岸公園」は、イエナ橋からシュリー橋までセーヌに沿った計7キロの道路を車両禁止にし、歩行者に開放した遊歩道。レストランやバー、子どもの遊技場なども随所に設けられている。左岸は2013年から、右岸のポンピドゥ車道は昨秋から歩行者専用になっていたが、今月初め、右岸の公園としての整備が一段落し、公式にオープンした。
水辺でピクニックする家族連れや、元気に走り回る子どもたちを眺めていると、かつて、日々43000台の車がここを通っていたことが嘘のようだ。重要な幹線道路だっただけに「車道の封鎖により別の場所で渋滞が悪化し、空気が汚染されている」とする反対派の声も強く、推進派との攻防が続いたが、排出ガス減少は「公衆衛生上緊急」だとして、パリのイダルゴ市長は実施に踏み切った。
パリ発祥から今日までの2千年の歴史が刻まれ、ユネスコの世界遺産にも登録されているセーヌ河岸。なによりも、住民がこの水辺で、ゆったりと語らい、くつろぐことが出来るようになったのが素晴らしい。(集)