バカンスから戻ってきて真っ先に食べたいものが、美味しいアジア飯であるのは私だけではないはず。日本に帰郷していたとしても、パリのアジア飯は、また違う個性があって、妙に恋しかったりするものだ。
バスティーユとリヨン駅の間、Caffè dei Cioppi、Passeriniなど、最新のイタリアンで話題のこの界隈に、小さなべトナム&タイ料理のお店を発見した。見るからに家庭的な雰囲気で、2人のお姉さんが丁寧に料理に勤しむ姿が見える。ガラスのウィンドーケースには日替わり料理(6€)、ミニサイズの定番料理(3€)がずらりと並び、日替わりとご飯のセットで7.5€、ミニ定番を2種とご飯のセットで6.5€と、今時珍しい良心価格に嬉しくなる。
この日の日替わりは、豚の挽き肉のタケノコ炒め、豚のレッドカレー、鶏の甘辛煮の3種類。定番のほうは、レモングラスのタイ風ソーセージ、豚のタケノコ炒め、鶏の甘辛煮、豚バラの角煮だった。タイ風ソーセージが大好物の私は迷わずそれと、豚のタケノコ炒めを選択。甘くむっちりしたソーセージはご飯が大いに進む。豚に入っているタケノコは、食感も良ければ味わいもしっかりしていて、素材にも信頼がおける。日替わりの方のタケノコ炒めはまた別の味付けで、ココナッツミルクが入っているので、見た目からしてこってり、食べると実にクリーミーな上にスパイスが効いていて、これまた病みつきになる。その他、定番のPho(7.5€)やBo Bun(6.5€)もある。ちょうどこの時、Bo Bunのための肉を炒めて麺に乗せているところだったので、店内にはよい香りが立ちこめていた。香ばしいようなその香りは他で嗅いだことのないもので、とても好奇心をそそられた。
料理自体はシンプルながらも、丁寧で、きちんとした素材を使い、笑顔での気持ちよい対応。そんな店はリピーターがつく。小さな店内は10席ほど。訪れる多くの客のように、テイクアウトで近くの公園で食べるのもいい。夏はまだ終わっていないのだから。(み)
Ô Saveur Bar
Adresse : 44 rue Traversière, 75012 Parisアクセス : M° Ledru Rollin
月~土 8h-16h 日休 CB不可。