一見ケーキ屋さんかサロン・ド・テのような外観だが、店名のとおりここは「スペイン食材店」。小さな店内は厳選されたハム類、チーズ類、缶詰、オリーブオイル、ワインなどが整然と並んでいて、天井からは、待ってましたの生ハムが脚丸ごとの状態でぶら下がっている。とりあえず、この2つを試さずに店の評価はできないと、生ハムの名産地サラマンカ地方ギフエロのべヨータ(27€/100g)に、チーズは若いマンチェゴ(40€/kg)と熟成の進んだマンチェゴ(42€/kg)を購入。脂が光る美しいべヨータは身がよく締まっていて、かむとミシミシ音を立てる。食感も味も秀逸だ。マンチェゴも優しくもコクがあって実に素晴らしい。そして他で見つからないものこそ試したいと、目を光らせたのは、チョリソの親戚にあたるモルコン (50€/kg)は肉の挽き加減が粗いだけに食感がよく感じられ、ジューシーだ。他に、スペイン側バスク地方で最も食される羊乳のチーズでやや燻製香のあるイディアサバル(45€/kg)。その強烈な味わいから通好みとされる、アストゥリア地方の青カビチーズ、カブラレス(44€/kg)。タラの卵の缶詰(7.3€)。バスク特産の青唐辛子ギンディージャの、よくある酢漬けではなく、ガーリックオイル漬け (4.9€)。マヨルカ島発祥のスパイシーなパテ、ソブラサーダ(5.5€)はカナッペに最適で、お酒が進む。日本のシシトウと見た目も味わいも同じPimientos de Padrón(20€/kg)も常備ではないが、時折売っている。
夏は始まったばかり。アペロに活用しよう。(み)
La petite épicerie espagnole
Adresse : 108 rue du Cherche-Midi, 75006 ParisTEL : 01.4222.9942
アクセス : M° Vaneau
月〜金 10h-15h / 16h-20h 土 10h-20h 日休