月齢の低いべべを持つ親にとっては頭を悩ます季節、冬がやってくる。冬は病気の季節。低温低湿の環境がウィルスの活動に最適なことと、空気が乾燥するとのどや鼻の粘膜が荒れて風邪をひきやすくさせるし、日照時間が減ると気分も滅入り免疫力も下がる。ここぞとばかりに元気なウィルスがやってきて身体をむしばむ。母乳にはたくさんの免疫が含まれているので、卒乳時期に冬を避けるママが多いのはそのため。
冬に一般的な病気のうち、やっかいなのが「ガストロgastroentérite」と呼ばれる急性胃腸炎。毎年寒くなると必ずフランス全土で大流行する。吐き下しが顕著にひどく熱も出る。ウィルス性のため抗生物質が効かないので、処方されるイオン水(粉状のものを水で溶く)で水分を補給し、休養で乗り切るしか方法はない。ガストロで一番危険なのは脱水症状。最初は水分さえも吐き出してしまうが、無理強いせず、吐いた後30分は様子をみて、その後スポイトなどで少しずつ水分を与える。また吐き気が治まっても下痢が続く場合は粉ミルクなどの乳製品は再開してはいけない。下痢には下痢止め薬、熱には解熱剤と、いわゆるフランス流の対処療法に疑問は尽きないが、我が子の体のこと、納得できな場合はセカンドオピニオンを求めることもちゅうちょしてはいけない。
緊急時や冬期休暇のこともあるし、普段かかっている医者以外にも信頼できる医者を近場に見つけておくことをおすすめする。大人にも同じことが言えるが、手洗いとうがい、十分な睡眠、太陽の光、新鮮な食材、運動、ストレスをためないこと…。普段から病気にならない体をこつこつと作ることが結局は一番の早道。まずは手洗いとうがいから始めたい。
年末の休暇を利用してべべを連れて日本に里帰りを考えている方。機内の環境は病気になる条件がそろっているので要注意。また、日常的に中耳炎など耳の病気を患っている子の搭乗は、医者の指示を必ず仰ぐように。 (凜)