●サッカー仏代表メンバー4人に処罰
仏サッカー連盟(FFF) の規律委員会は8月17日、南ア・ワールドカップ(W杯) の騒動に関して仏代表チームのメンバー4人に仏代表公式試合出場停止処分を言い渡した。ドメネク監督に暴言を吐いたとされるアネルカ選手は18試合出場停止、エヴラ主将は5試合、練習ボイコットを扇動したとされるリベリ副主将は3試合、トゥララン選手は1試合。対南ア戦への出場を拒否したアビダル選手は処罰なし。召喚に応じたのはエヴラ、トゥララン、アビダルの3選手のみ。仏代表チームの元監督、エメ・ジャケ、ミシェル・イダルゴ両氏は23日、集団行動であるのに4人だけ処罰すべきでないと、処罰撤回を求める公開状をFFFに送り、エヴラ選手は処罰を不服とする訴えをFFFに提出した。
●牛乳の生産者価格10%アップで合意
8月18日、牛乳の生産者価格を10%引き上げることで、酪農家と乳製品製造業界が合意した。酪農家は生産者価格の暴落に対して2009年から抗議運動を展開していた。これで生産者価格は1000リットルにつき31ユーロ上がって330ユーロになる。また、値上げの見返りに、フランスとドイツの生産者価格を比較する指数が設けられることが決まった。メーカーはリットル当たりの価格差を4ユーロ以内にすることを求めており (6月末時点でドイツが9ユーロ安い) 、値上げは認めたものの、酪農家への圧力を維持するとみられる。
●午前授業、午後運動の試験導入124校
教育省は8月19日、午前に授業をして午後はスポーツをする時間割を9月から3年間の期限で試験導入する全国の中学・高校124校の校名を公表した。この方針は、生徒の健康を増進し、学習効果の向上を目指して、シャテル教育相が5月に明らかにしていた。実際に導入されるのは各校につき数クラスのみで、対象となる生徒は7000人。パリではモーリス・ラヴェル中学・高校、アンリ・ベルグソン中学など4校。
●税控除、総額100億ユーロカットへ
政府は8月20日、税控除と社会保障費控除制度を見直し、今秋から総額100億ユーロ分の控除を削減すると発表した。バロワン予算相によると、住宅ローン、金融商品の利益などに関する控除を対象とし、雇用創出や経済活性化のための投資、低所得層支援関係のものは除外する。カットされる控除の内容は9月半ばに発表される予定。この措置は、2010年の経済成長率を2.5%から2%に下方修正したための税収減を補い、財政赤字を減らすため。
●ロマ人強制送還に対し、各界から抗議
ロマ人強制送還 (P2 に関連記事) に対して各界から抗議の声が上がっている。8月19日にパリ大司教、エクサン = プロヴァンス大司教らが政府の治安を理由にした強制排除に異議を唱えた。ベネディクト16世ローマ教皇は間接的な批判にとどめたものの、教皇庁移民問題評議会は、仏政府の政策は欧州の規範に反すると批判。リール市のアルチュール・エルヴェ神父は22日に、2008年にオルトフ内相から授与された国家功労3等勲章を返還した。さらに右派からも反対の声が上がり、ドヴィルパン前首相は「治安対策の誇張」、ラファラン元首相は「民衆運動連合 (UMP) の右傾化」と非難。
●グアドループなどでデング熱が流行
8月23日、グアドループ県とマルチニーク県で流行しているデング熱の撲滅対策を強化するための協議が現地で行われた。両県では今年初めからデング熱が流行しており、グアドループでは8月前半で7800人、マルチニークでも7560人が新たに罹患。今年1月以降の患者総数はそれぞれ3万3千人 (死者4人) 、2万5600人(死者12人) に上る。デング熱はネッタイシマカなどの蚊が媒介するウイルス感染症で、高熱や関節痛を伴う。デング熱撲滅のために69人の兵士が両県に派遣され、蚊の幼虫駆除作戦を展開している。
●アフガニスタンで仏兵士2人が死亡
8月23日、アフガニスタンのカブール北東で国連治安支援部隊所属の仏兵2人が軍事作戦中に銃撃を受けて死亡した。これで、2001年以来のアフガンでの仏兵の死者は47人になった。また、同日、同じ地区で仏兵士3人が負傷し (1人は重傷) 、パリの病院に移送された。この3人の負傷は仏部隊の誤射の疑いがあり、軍の内部調査が24日に開始された。