3月14、21日に行われた地域圏議会選挙の投票率の低さは、市町村や県と違って、地域圏の役割が国民に十分理解されていないからだという指摘がある。地域圏が地方公共団体となったのが1972年、地方分権法によって最初の地域圏議会選挙が行われたのは1982年と、歴史は浅い。地方分権政策とともに、地域圏は教育、職業訓練、医療、地方経済、国土整備、交通インフラなどの分野で権限を拡大してきた。しかし、予算はそれに伴わず、地方公共団体すべての支出のなかで、市町村・市町村連合が55.5%、県が31.5%に対して、地域圏はわずか13%(3月4日付ルモンド紙)。財源としては国の交付金、地方税、自動車関連諸税などで、2009年度予算は26地域圏合わせて266億ユーロ。教育・職業訓練関連支出が112億ユーロ、交通インフラ整備に26億ユーロ、地域経済の発展・雇用創出に12億ユーロと、権限拡大に伴い支出は増加の一途だ。サルコジ大統領は地方公共団体の改革を計画しており、地域圏の数を本土で22から15に減らす案も。今回の選挙はそうした国(与党)対地域圏(野党)の対決の側面もある。(し)