昼なら前菜かデザートとメインで16€、フルコースで20€。夜でも2皿25€、3皿30€とリーズナブルなネオビストロ風のレストラン。昼のメニューは前菜、メイン、デザートがそれぞれ2品ずつあるので、友人と私はそれらすべてを注文し半分ずつ試すことにした。ワインは、ミネルヴォアのDomaine La Rouviole 2004 をグラス(5.5€)で注文。
前菜は、ホウレンソウのスープとサヤインゲンのサラダ。ラビオルが浮かんだスープは緑色が美しく、ラビオルの中に入ったロックフォールがアクセントになっている。オリーブオイルも加わり軽やかな味わいだ。サラダも、少し歯ごたえが残るインゲンのゆで加減がよく、砂肝やベーコンの塩味と、とろっと半熟加減の卵とのハーモニーが素晴らしい。
メインは、サメのグリル、ズッキーニとナスのソテー添えと、チリメンキャベツを敷いたカモ胸肉のロースト。サメはしっかりした食感が面白い白身で、それ自体の味は特筆すべきことがないが、ズッキーニとナスのソテーと一緒に口に運ぶと一気においしさが倍増する。どこかオリエンタルな香りのするカモのローストは、芯がバラ色になった焼き加減も素晴らしいが、付け合わせのキャベツや野菜を煮詰めたソースがおいしくて舌を巻いた。
デザートは、噂に聞いたフォンダンショコラはもちろん、ブラッドオレンジのクープに感激した。バニラ風味のフロマージュ・ブランのやさしい味とオレンジゼリーのプルンとしたのど越しが心地いい。リーズナブルな価格ながら、前菜、メイン、デザートとここまで3拍子そろったビストロはまれだ。フレンチレストランとしては珍しく、飲み物としてビールがチョイスできたり、食後はコーヒーだけでなく、緑茶、紅茶、ハーブティーなどがちゃんとメニューに並んでいる気配りもさすが。日本からきた友人、知人を案内するのにベストかも。(里)
Lilane
Adresse : 8 rue Gracieuse, 75005 Paris , FranceTEL : 01.4587.9068
アクセス : M° Place Monge
土昼・日・月休。