●エリック・ロメール監督、死去
ゴダール、トリュフォーらとともにフランス映画のヌーヴェル・ヴァーグを率いたエリック・ロメール監督が1月11日、パリで死去した。享年89。「カイエ・デュ・シネマ」の編集長を務めるなど映画評論家、小説家でもあった。代表作は『六つの教訓話 Six contes moraux』シリーズ、『緑の光線 Le Rayon vert』(ヴェネチア映画祭金獅子賞)、『四季の物語 Les Contes des quatre saisons』シリーズなど。
●ティエリ・アンリ主将への処罰なし
国際サッカー連盟FIFAの懲罰委員会は1月18日、サッカーW杯欧州予選の対アイルランド戦でハンドの反則を犯 フランス代表のティエリ・アンリ主将への処罰なしとした。FIFAのルールではハンド反則には試合出場停止などの厳罰を規定していないというのが理由。
●取締役会の40%を女性にする法案可決
上場企業や公営企業の取締役会メンバーの40%を女性にすることを義務付ける法案が1月20日に国民議会で可決された。春に上院で審議される。民衆運動連合UMPと中道が賛成票を投じ、野党は棄権した。法案は国民議会UMPグループ代表、ジャン=フランソワ・コペ議員らが提出した。法案によると、法施行後3年以内に女性比率20%、6年以内に40%を達成することを義務付けており、違反した場合は取締役会は無効となる。大企業の取締役会の女性比率は、フランスでは10%と、ノルウェー(41%)やスウェーデン(27%)に比べると低い。
●EDF会長、給与の2重取りを断念
アンリ・プログリオ仏電気公社EDF会長は1月21日、兼任する水道・環境大手ヴェオリアでの執行権のない取締役会長としての報酬(年俸45万ユーロ)を放棄すると明らかにした。EDF会長としての年俸160万ユーロに加えてこの役員報酬を受けることに非難の声が大きくなり、サルコジ大統領の要請で断念した。野党は、プログリオ会長がどちらかのポストを放棄すべきと批判を続け、さらに、会長が2009年11月にEDF会長に就任した際に、報酬を45%も引き上げさせたことも批判。大統領は25日、プログリオ会長は長年経営にあたったヴェオリアの業務引継ぎに数カ月費やし、その後は同社取締役を辞任する予定だと発言した。
●ハイチから養子縁組の子供32人が渡仏
フランス人の親が養子縁組をしたハイチ人の子供32人が1月21日、パリの空港に到着した。ハイチの地震を受け、養子手続き中のフランス人が手続きの加速化を要求したのを受け、フランス外務省は19日、養子縁組の許可が下りているケースについては手続きを早めて迅速に子供をフランスに入国させるとしたが、手続きを簡略化する意思はないと回答。在ハイチ仏大使によると、手続きのほぼ終了している約50人の子供が近く第2陣として来仏する予定で、さらに約300人の子供も漸次、来仏する予定とした。
●コルスの海岸にクルド難民123人が上陸
1月22日朝、コルス島の海岸に難民らしきグループがいるのを住民が発見した。女性29人、乳児など子供29人を含む123人で、シリアから来たクルド人と判明した。コルス知事は国外退去手続きを取り、翌23日、難民をマルセイユ、ニーム、レンヌなどの行政収容所に移送。しかし、各地の釈放・拘束判事は、難民の身柄拘束は違法として釈放を命じ、25日までに全員が釈放され、難民センターに収容された。国外退去手続きが取られると、亡命申請期間が5日間しかなく、却下されると再審査を求められなくなる。移民支援団体は、政府の措置は難民を排除するやり方と非難。判事の判断を受けて、ベッソン移民相は25日、国外退去命令を撤回した。
●ブルカ委員会報告書、右派内で足並み乱れ
女性の全身を覆うブルカに関する国会委員会の報告書が1月26日、同委員会で承認された。この報告書は、まずブルカの着用に反対する国会決議をすること、さらに公共サービス施設(役所、病院、学校、公共交通機関など)において顔を隠すことを禁じる立法を提案している。ところが、公道も含めてすべての公共の場におけるブルカ着用禁止を求めるUMP議員6人は報告書に反対の姿勢を示し、UMP内でも足並みはそろっていない。反対派はコペ国民議会UMPグループ代表が近く提出する法案の内容に期待をかけている。法案は地方圏議会選挙後に国会で審議される予定だ。