パリに来て一番最初に驚いたことは、美しい歴史的建造物と、フランス人の芸術的な駐車技術だろう。とにかく彼らの縦列駐車技術はすごい。前後数センチもあれば、いとも簡単に完了させてしまう。
「どうしてフランス人はあんなに縦列駐車が上手なの? しかも、前後のクルマにぶつけながらでも、傷なんてつかないじゃない。日本であんなことしたらまず怒られるし、自分のクルマが傷だらけになるよ」と、レーシングドライバーのパトリックさんに聞いてみた。「フランスでは教習所に入ったらすぐに縦列駐車の練習をしなければいけない。教習生はとことん技術を叩き込まれるよ。日本の教習所のようなスペースがないから、いきなり路上で練習しなければいけないので自ずと上手になるんだ」
友人のエリックさんいわく「ストライキと駐車の世界大会があったら、フランス人が優勝する」。確かにその通り。今までヨーロッパをはじめ何十カ国も旅してきたけど、こんなに高い駐車技術を持つ国はそうそうない。早速縦列駐車の練習を開始した。
(1)縦列駐車は必ずバックから行う。
(2)自車外側の後輪が、後続車の前輪と同じ直線状の場所に来たらハンドルを一気に左に回す。
(3)何度か前後してきれいに収める。
(4)前後の車を押すことはあっても、相手の車に傷を負わせるような乱暴な押し方はマナー違反。どこまで当ててもいいのかの程度を加減しないと、お互いの車が大きな傷を負ってしまう。
説明は簡単だけど、実際はかなり難しい。フランスでの華麗な縦列駐車をマスターしたいなら、少しくらい車が傷ついても平気でいられるような心の準備をしよう。そして何回もトライアンドエラーを繰り返す。特にバンパーがある前方にクルマを寄せるのは至難の業。でも、頑張れば絶対にできるはず・・・。(和)