指までなめたくなる、ウズラのバジリコ風味が食べたくなり、598号で紹介した店に出かけた。ところが店内の雰囲気が変わり、パトロンが替わってしまったようだ。気を取り直しメニューを開ければ、野菜料理が数多く、心躍る。私は、ここのスペシャリテという担々麺(たんたんめん)(6.8€)。おなかの空いていた友人は、イカの塩コショウ炒め(7.8€)、キヌザヤの炒めもの(7.5€)、にごはん、ワインはコット・デュ・ローヌ(12€)を注文。
担々麺は、きょう打ったばかりだという自家製麺のシコシコ感がたまらない。辛さは注文の際に頼めば調整してくれる。シイタケのダシでしっかりと味付けされたひき肉やピーナッツが入っている。イカはというと、家庭で揚げるとどうしてもつるんと剥がれてしまう衣が、カリッときちんと付いている。唐辛子入りの薬味も添えられ何ともうまい。
自家製チャーシューと一緒に炒められたキヌザヤは、色鮮やかできちんとした歯ごたえ。「中華料理というと油っぽかったり、重いイメージがあるかと思いますが、より軽く、より多くの野菜を召し上がって頂きたい」と給仕さん。頼めば、肉を抜いたり、かわりに魚介類などに取り替えてくれるそうだ。この記事を書くまでに既に何度か足を運んだわけだが、シンプルなモヤシ炒め(4.2€)もおすすめ。以前の店にあった魚(スズキ)の蒸し料理も健在だ。夏にはニガウリ料理もあるとのこと。
帰り際、コックさんが厨房から出てきたが、落ち着いたその立ち居振る舞い、背中まっすぐの姿勢を見て納得。コックさんの人柄が、控えめでいながらきちんとした味付けの料理にそのまま反映されていると思う。常連になりそうだ。昼には、その日の一品に、スープ、ごはん、デザート、お茶が付いて6.9€という超お得なコースがある。(麻)
Milk Shake
Adresse : 3 rue Louis Bonnet, 75011 Paris , FranceTEL : 014338 6390
アクセス : M° Belleville
11h-15h/18h-23h。月夜休。