●トタルの工場で爆発、2人死亡
7月15日、モーゼル県のトタル石油化学工場で爆発が起き、20歳の職業訓練中の男性と28歳の男性従業員の2人が死亡、6人が負傷。原因は不明だが、雷のために稼動を停止していた水蒸気蒸留装置を手動で稼動しようとした際に、過熱器内にたまっていたガスに引火して爆発した可能性が指摘されている。この工場では2005~07年にスチレンやベンゼン、炭化水素が漏れる事故が何度も起きており、労組や環境保護団体は同工場の老朽化した設備を放置しているトタルを非難している。
●リストラ従業員が工場爆破で脅迫
倒産やリストラで解雇される従業員が、法定解雇手当に上乗せする追加手当を求め、ガスボンベを使って工場を爆破すると脅迫する事態が続発している。倒産した自動車部品ニュー・ファブリス(ヴィエンヌ県、366人解雇)と通信機器ノーテル・フランス(イヴリーヌ県、480人解雇)、運搬機器のJLGフランス(ロット・エ・ガロンヌ県、リストラで53人解雇)の従業員がそれぞれ7月12日、14日、15日に、一人当たり3万ユーロ(ノーテルは10万ユーロ)の追加手当を要求し、工場や設備を爆破すると脅迫した。ガスボンベは1日で撤去された。ノーテル労使は21日に追加手当の大幅な増額で合意。ファブリスでは納入先のルノーとPSAが366人に各11000ユーロ払うことを提案したが、労組は満足せず交渉続行中。JLGは3万ユーロの追加手当を勝ち取った。
●アルカテル、850人のリストラ発表
通信機器アルカテル=ルーセント社は7月23日、昨年末から3度目のリストラとなる国内850人の雇用削減を発表した。希望退職のみとしているが、労組は850人の削減のほかに、400人の外部転属が計画されているとして同日、リストラの対象である工場や研究施設を封鎖するなどしてスト決行。同社はITバブル崩壊と通信機器業界の過酷な競争によって2005年までに世界で従業員を半減。国内でも09年までに3分の2に削減。エストロジ産業相は24日、外国への業務移転はしないとの約束をアルカテル側から取り付けたと明らかにした。
●日曜営業規制緩和法案が最終成立
商店の日曜営業規制を緩和する法案が、7月15日に国民議会で賛成282票、反対238票で、23日には上院で賛成165、反対159の僅少差で可決され、最終成立した。日曜営業を全面解禁したい政府案には与党からも反対が多く、政府は原案を変更して譲歩。法律が施行されると、パリ、エックス=マルセイユ、リール郊外の「特別消費地区PUCE」にある大型商業施設の日曜営業が可能になり、日曜日分の給与倍額、代休、希望者のみが働くという規則が適用される。一方、すでに日曜営業が許可されている観光地・療養地ではそれらの原則は義務とはされない。社会党は同法を憲法評議会に提訴する意向を明らかにしている。
●コルシカ、マルセイユで大規模な山火事
7月23日に南コルシカのオレーヌで山火事が発生した。3500ヘクタールの森が焼失し、25日にはほぼ鎮火した。工事中の電線の火花が枯れ草に燃え移ったためとみられる。同日オルトロ谷など2カ所でも火事があり、1500ヘクタールの森と民家など15軒を焼いて数時間後に鎮火され、放火の疑いで男性3人が逮捕された。また、22日にマルセイユ近郊の軍事キャンプから発火し、1300ヘクタールの灌木林・松林と民家5軒を焼失させた大火事は、強風のなか強行された演習で発射された〈えい光弾〉が原因と判明。演習責任者の下士官が23日付で停職処分に。
●ツール、コンタドールが優勝
自転車ロードレース、ツール・ド・フランスは、7月26日にパリ・シャンゼリゼ大通りにゴールし閉幕。個人総合ではスペインのコンタドール選手(アスタナ)が2度目の優勝。2位はルクセンブルクのシュレク選手(サクソバンク)、3位はツール7連覇の偉業を果たしたベテランで急きょ復帰した米アームストロング選手(アスタナ)。チームではアスタナが優勝。新城、別府の両選手は日本人として初めて完走した。