★★★★Simone Tassimot
シモーヌ・タシモは、音楽関係の仕事を終え、50歳を過ぎてから本格的に歌手としてデビュー。大のシャンソン愛好家で、彼女の歌のすべてが優れた選曲ばかりで舌を巻く。それもそのはず、彼女の公演にはアラン・ルプレストなどの優れた歌手仲間もたくさん聴きに来る。最近リリースされた2枚目のCD『Gainsblues』でも、ゲンズブールのデビューのころのレパートリーを中心に、彼女ならではの選び抜かれた選曲…。J・バーキンが歌った『Zによる問題集』、『バビロンの妖精』、『公園を通り過ぎる憂鬱』、『死ぬほど退屈』、『雨の季節』などをピアノバーで聴かせるような雰囲気でしっとりと歌う。C・ソヴァージュが歌った『天国の女たち』とI・オ−ブレが歌った『おかけの電話番号は現在使われておりません』は傑出の出来栄え。ちまたの歌手や新人発掘に功績のあるサラヴァ・レーベルが彼女を今まで放っといている気が知れない。(南)