今年の第96回ツール・ド・フランスの話題は、米国のランス・アームストロング選手のカムバック。同選手は、2005年、ツール・ド・フランス7連覇をなし遂げたが、直後レキップ紙にドーピング違反を指摘され、激怒。「フランス人には、私の7連覇はみごとすぎて信じられなかったのさ。いつかツール・ド・フランスに復帰して、フランス人にしっぺ返ししたい」と捨てぜりふ。その後3年間のブランクをおいてのカムバックだ。
アームストロングは、1971年、米国テキサス州のダラス生まれ。母親が17歳の時の子供だった。実父は2歳の時に家を出る。その後、母は再婚するが、義理の父親は暴力的だったという。それから逃れるかのように彼はスポーツに熱中し、トライアスロンでトップレベルに。その中でも自転車種目に強く、1993年には米国の自転車レースのチャンピオンに。この年ツール・ド・フランスでも活躍し、8月には世界チャンピオンと華々しいスタートを切る。ところが1996年末に睾丸(こうがん)ガンの手術を受け、2年間の闘病生活。そして1998年に奇跡のカムバック。1999年からのツール・ド・フランス7連覇は当分誰にも破ることのできない偉業だろう。
私生活ではポップシンガー、シェリル・クロウとのロマンスが名高いが、他の二人の女性との間に4人の子供を持ち、子煩悩で知られている。
「以前よりはずっとリラックスしている。そしてもう一度ツール・ド・フランスで走られることに興奮しているんだ」(真)