バニラ1本をよく切れるペティナイフで縦割りにし、香りの素になる種をかき出しておく。鍋に、牛乳250cc、バニラの種とサヤを入れ、弱火にかける。沸騰したら火から下ろしサヤは取り出す。卵の黄身3個分と砂糖100グラムをボウルにとり、白っぽくなめらかになるまで混ぜ合わせたら、小麦粉40グラムを加えて練り合わせる。ここへ熱い牛乳を少しずつ混ぜ入れる。これをふたたび鍋に戻して中弱火にかける。均等に熱が伝わるように絶えず木のヘラでかき混ぜていき、グツグツッと沸騰したら、できあがり。
カスタードクリームは、冷ましてから、果物のタルトだけでなく、シュークリーム、エクレア、ミルフイユなどに使うことができる。用途に応じて粉アーモンド、チョコレート、キルシュ酒*、ラム酒などで味に変化をつける。
今回のイチゴタルトには、ホイップクリームcrème chantilly(649号参照)を、カスタードクリームの1/3の量ほど混ぜ込むと、口当たりが軽く、味もずっとまろやかになる。
*キルシュ酒kirschは、フランス東部、特にアルザス地方を中心に作られている黒サクランボの透明な蒸留酒。そのまま食後酒として飲んだりもするが、製菓に使われたりフルーツサラダに加えたりすることも多い。