「ジャック・タチって誰?」

 …と問う娘。「あれぇ、もう少し小さい時に『僕の伯父さん』を見て笑っていたじゃない」。タチといえば『僕の伯父さん』や『僕の伯父さんの休暇』などが頭に浮かぶだろうし、あのすばらしい『プレイタイム』の計算されたカット割りを思い出して嘆息することだろう。今年はタチの生誕100年+2年。「型にはまるのが嫌いなタチにはちょうどのタイミング」で展覧会が催されている。
 「なによりもセットがスター」とタチは言っている。「狭い通路」、「水槽」、「引き出し」、「車」、「ドラッグストア」、「空港」…とタチの映画にしばしば登場する空間ごとに展示は進み、その空間に合わせた映画作品の一部が紹介される。『僕の伯父さん』に登場する超モダンな家の模型、「重要な客」のためにだけ口から水を噴き出す魚の彫刻、見た目はいいけれど思いっきり座り心地の悪そうな長椅子など本物のオブジェや、映し出されるとぼけたギャグを見ながら、娘や同年代の子供たちは楽しそうな笑い声。
 『プレイタイム』のセットをパリ郊外に造るためにタチは莫大な借金を背負い、興行成績だけではとうてい返済できず自らの資産を返済にあてた。
 ”Tativille(タチの町)”と呼ばれたこのセットを解体する記録映画は衝撃的で胸が痛む。タチはこんな言葉を残している。「…私は自分の家よりも映画のほうが好き(だから家を処分することなんて何でもない)」。なんという潔さ!  娘の感想は「タチって、背が高くて、面白い映画をつくる人だ」(海)
La cinémathèque française : 51 rue de Bercy
12e  01.7119.3333  www.cinematheque.fr
8月2日迄。月-土12h-19h、日10h-20h。
火休。4€-8€。


 

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