ブルー、グリーン、グレー…。基本が黒か茶色という日本人の瞳の色に対して、フランス人の瞳の色の数は、まるで折り紙の色数ほどある。瞳の色の濃さは、光を調節する虹彩という部分で決まり、虹彩の色は、メラニン色素の量で決まる。メラニンには、肌や目を太陽光線に含まれる有害な紫外線から守る役目がある。色素が多いほど目は黒く、日本人よりメラニンの量が少なく、目の色が薄めのフランス人は、日本人の目の約2倍も光をまぶしく感じるため、真夏以外でもサングラスを愛用する人が多いし、室内電球もオレンジ色系、また間接照明を好む傾向がある。黒い瞳の日本人が同じような照明を使用していると視力が低下したりすることにもなる。
日本では、昔から一重まぶたが日本美人とされていたが、明治時代以降には、欧米人の影響で、二重まぶたのぱっちりした目がよいとされるようになってきたが、目尻が下がっていることが多いフランス人にしてみれば、やや切れ長の黒い瞳はクールでエキゾチックに映る。そして、フランス人と日本人の目の形の違いは、目の動かし方の違いにも通じてくる。フランス人は大きく眼を見開き、実によく瞳を動かすのに対して、日本人はあまり目を動かさず、カッと見ひらくことも少ない。目と目をしっかり見つめ合って話すことを苦手とする日本人に対して、しっかり相手の目を見つめて、表情豊かに会話を進めていくフランス人。ただあまりに薄いブルーの瞳に見つめられると、その瞳がどこを見ているのかわからないから、コワイという意見もある。また瞳の薄い色が、季節や光の具合で変化していくということも、日本人にはありえないこと。さらに一番の大きな違いは、フランス人のパスポートには、身長と並んで瞳の色が記載されていることだ!(有)