●デクシア救済に3国が64億ユーロ投入
ベルギーのイヴ・ルテルム首相は9月30日、金融危機で経営難に陥ったベルギー・フランスの金融大手デクシアを救済するために、ベルギー、フランス、ルクセンブルク政府が計64億ユーロの公的資金を投入すると明らかにした。ベルギー、フランス(政府関係金融機関である預金供託金庫と仏政府)がそれぞれ増資の形で30億ユーロを、残りをルクセンブルクが転換社債の形で資金投入する。投入後はフランスが約25%の株式を保有することに。デクシアの経営陣の退陣に伴い、ベルギーの元首相が会長に、BNPパリバの元重役でサルコジ予算相時代に官房長を務めたピエール・マリアーニ氏が最高経営責任者に就任する。
●フリゲート艦疑惑、国家機密で不起訴に
1997年以来、ヴァン・リュインベック予審判事によって捜査が続けられていた台湾フリゲート艦疑惑が、不起訴になることが決まった。パリ検察局の不起訴論告に同判事が10月1日に署名した。この疑惑は、フランスのトムソン社が1991年に台湾にフリゲート艦を売却した際に、台湾やフランス側の仲介者に数億ドルに上る不正手数料が支払われたというもの。しかし、この売買に関する諸書類は国家機密という名目で捜査の手が及ばなかった。手数料受取人に関する情報を暴露するはずだった台湾の将校が死亡したり、国防省対外安全保障局DGSE元局長の息子が事故死するなど不審死もあった事件だが、永久に闇に葬られることになった。
●BNPパリバがフォルティスを買収
金融危機で経営の悪化したベルギー最大の金融グループ、フォルティスのベルギーとルクセンブルクでの事業をBNPパリバが買収することが10月5日に決まった。BNPパリバは、ベルギーでの事業の75%、ルクセンブルクでの事業の67%の株式を株式交換方式で取得する。同グループのオランダでの事業はオランダ政府が国有化した。一方、フランスのバンク・ポピュレールとケス・デパルニュが合併のための交渉を開始したことを10月8日に正式に発表した。実現すれば、支店8200カ所、預金高4800億ユーロのフランス第2の銀行に。
●モンタニエ博士らにノーベル医学賞
スウェーデンのノーベル賞選考委員会は10月6日、フランスのフランソワーズ・バレ=シヌシ(61)、リュック・モンタニエ(76)両氏と、ドイツのハラルド・ツア・ハウゼン氏(72)にノーベル医学賞を授与すると発表した。フランスの研究者2人はそれぞれパスツール研究所とパリ大学の教授時代の1983年、エイズウイルス(HIV)を発見した功績に対し、ツア・ハウゼン氏は子宮ガンの原因であるヒトパピローマウイルス(HPV)を発見した功績に対するもの。
●「黄金のパラシュート」規制へ
大企業のトップが解雇・買収などによって退職する際に、法で規定された退職金の他に多額の補償金を得る「黄金のパラシュート」と呼ばれる特別退職金制度を見直す動きがある。政府は10月7日、フランス企業運動MEDEFの提案を受けて、特別退職金を現行の年収3年分から最高2年分に減らし、自己都合の辞任や経営失敗の際は支給しないなどの規則を年末までに企業に規定するよう勧告。従わない場合は法規制を行うとした。業績不振だったEADSのフォルジュアール会長が2006年に840万ユーロの特別退職金を受け取り、物議をかもした。
●マルク・マシャンさん、冤罪6年後、釈放
2001年にパリ17区のヌイイ橋でマリー=アニエス・ブドさんを殺害したとして、懲役18年(仮釈放付加期間12年)の有罪判決を受け、6年10カ月間服役していたマルク・マシャンさん(26)が10月7日、ルーアン刑務所から釈放された。取調べの際に一旦は自白したものの、その後は一貫して犯行を否定していた。今年3月になって、ダヴィッド・サグノ容疑者が逮捕され、ブドさんを含む2人の女性の殺害を自供し、ブドさんの衣服から採取されたDNAとサグノ容疑者のDNAが一致した。