イタリア産チーズでいちばん名高いパルメザンというと、ふつうパルミジャーノ・レッジャーノParmigiano reggianoのことを指すけれど、それと味も形も兄弟のチーズがグラナ・パダーノ。どちらもパルマおよびその周辺で12世紀くらいから作られている牛乳チーズで、高さ20センチ前後、直径40センチ前後、重さ30キロ前後と似たり寄ったり。グラナというのは「つぶつぶ」という意味で、そういえばどちらのチーズも、熟成が進むとアルミ酸が粒子になって歯にシャリッと当たる。実はパルミジャーノ・レッジャーノはグラナの一つなのです。グラナ・パダーノの方が生産量が多く、熟成期間もやや短いので値段が安いから、イタリアでは、ふだんのおろしチーズにはこちらを使う方が多い。
写真のグラナのように熟成期間が2年近いものは食後にもおすすめ。じっくりかみしめると、まずクリーミーな風味が広がり、その後にグラナ特有の、ちょっと昆布をかみしめた時のようなうまみが広がる。身がぽろっとくだけやすいので、ナイフの先を立てて軽く力を加え、自然に割れるのを待ちます。(真)