昨年末、郊外の若者たちが大がかりな反乱を起こし、フランス社会にアラブ人や、アフリカやカリブ諸島出身の黒人への差別が根強く残っていることが浮き彫りにされ、彼らの生活条件を改善するためにはポジティブな差別が必要なのでは、という論議が政治家の間で交わされた。そのおかげか、今年3月TF 1は、カナル・プリュスの昼のニュース速報を担当している、両親がマルティニーク島出身の黒人、ハリー・ロゼルマック(33)に、夏の間だけポワーヴル・ダヴォワールのピンチヒッターとして、視聴率40%を誇る20時のニュースを担当しないかと打診。ロゼルマックは、彼の肌の色が大きな役割を演じたものの、ジャーナリストとしての資質が認められたものとして、快諾した。「TF 1のニュースを担当するなんて、しばらく前までは夢にも思わなかった!」 7月17日20時から約30分間、スマートな長身をブルーのスーツに包み、リラックスした表情、歯切れのよいリズムで初舞台をみごとにこなした。最後の方で、雇用の際に人種差別があるというルポを取り上げ、視聴者に強い印象を残した。(真) |