欧州航空防衛宇宙社EADSの救世主として白羽の矢が当たったのは、フランス国鉄総裁のルイ・ガロワ氏。62歳。 1996年、当時のジュペ首相は、赤字に苦しみ労使の紛争が絶えないフランス国鉄のトップに、国立行政学院ENAの同級生で、社会党寄りのガロワ氏を任命した。それ以来、ガロワ氏は、忍耐強い労使交渉を続けながら、大規模なコンピューターシステムの導入や人員削減を行い、昨年は国鉄が大幅な黒字を計上するまでに建て直した。「自己の利益を考えず清廉潔白、信念を持って厳密で誠実な仕事をする高級官僚」と組合側からも信頼されていたことが再建の鍵だったようだ。全国統一ストで列車の運行が乱れたりすると、積極的にテレビに登場。ヒョウタンのように長い顔、つるりとした禿頭、そして大きな鼻が親しみやすく、話し方も、難しい言葉を使わずに、現状をわかりやすく説明することが得意だった。 実生活では、シムノンなどの探偵小説やコミックスを愛読し、ラグビーのファン。週末はパリ郊外クラマールの家でゆっくり過ごすことがなによりも好きだということだが、当分この贅沢は遠のきそうだ。(真) |