「ニコラ・サルコジを迎えることはできない。私は、反植民地主義という自分の信念に忠実でありたい。2005年2月23日法を支持しているようには見られたくない」
今年の2月23日に可決された植民地政策の有益性を謳った法律に対する反対の声が、フランスの元植民地であるアフリカ各国やマルチニーク、レユニオン、グアドループなどの海外県で高まっている(下のニュース参照)。マルチニーク島が生んだ偉大な詩人エメ・セゼールのこの発言は大きな波紋をよんだ。セゼールは植民地主義をきびしく批判し、「ネグリチュード」をもとにした文化論を説いている。 サルコジ内相に批判的なUMPの一党員。 |
12月4日、訪仏中の温家宝・中国首相はトゥールーズ市のエアバス本社を訪れた。 5日、エアバスの中型機A320を150機購入する契約を結んだ。総額83億ユーロ。日本円に直して約1兆1700億円という前例のない大型発注になる。 その見返りとして、エアバス社は将来、エアバスの製造組立工場の一部を中国に建設することに合意している。
|
7000人 12月1日は国際エイズデーだったが、フランスでこの1年間で新たにHIVに感染した人は7000人。エイズに対する警戒が弱まっているためか、2000年に比べると倍近い数字! 91% 11月17日から18日にかけてIFOPが行った世論調査によると、フランス人の91%がエイズに感染するとは思っていない、と答えたが、76%は子孫にとっての脅威となるだろうと考えている。新しいパートナーとの性交渉の際にコンドームを使用する人はわずか34%。またエイズを完治させるワクチンがあると思っている人は29%。
|
6650万食 〈Restos du coeur〉は、冬の間失業者や低収入の家族などに無料で食事を提供しているが、昨年度〈Restos du coeur〉が、フランス全国で提供した食事総数。〈Restos du coeur〉に登録して通った人は63万人。毎年増える傾向にある。パリでは1690万食が配られた。今年も12月5日からオープン。 |
●世界で初めて顔面移植手術 11月27日に世界で初めての顔面移植手術がリヨンの外科医ジャン=ミシェル・デュベルナール教授らによって行われたことを、週刊誌「ルポワン」(12月1日付)が報じた。この手術は犬に顔を咬まれて両唇と鼻の一部に損傷を受けた38歳の女性に対して施されたもので、経過は良好という。ドナーはリールの病院で脳死した女性。同教授は1998年に世界初の手の移植をした医師。 ●郊外の若者支援対策と移民規制強化を発表 ドヴィルパン首相は12月2日、先の若者の暴動を受けて、郊外など問題地域の若者への支援策を発表した。若者への就職支援、職業訓練制度を受けられる年齢の引き下げなどの対策を打ち出す一方で、学校に行かず問題を起こす子の親との間に「保護者責任契約」を交わし、監督を怠った親に対する家族手当の給付停止を来年初めから実施する考えを明らかに。また政府は11月29日、移民規制強化法案の骨子を発表した。内容は、不法移民25 000人を来年中に強制送還するほか、不法滞在者を雇った雇用主への罰金の引き上げ、家族呼び寄せの規制強化、仏人との婚姻から仏国籍取得までの年数を2年から4年にするなど。 ●UMPの大統領候補は1人に 民衆運動連合(UMP)の政治局は12月6日、2007年の大統領選で党が支持する候補者1名のみを擁立することを決定した。2007年1月の党大会で党員によって選ばれる候補者のみが党の〈政治的・法的・物質的な支援を受けることができる〉というこの決定で、党内に影響力を持つサルコジ内務相・党総裁が大統領選候補として一歩抜きん出た形だ。 |
●〈植民地有益論〉に議論沸騰 植民地政策の有益性を謳った法律の条文をめぐって論議が過熱するなか、サルコジ内務相は12月6日、マルチニーク、グアドループ両海外県の訪問延期を決めた。7日、マルチニークではこの条文の削除を求める700人規模のデモが、グアドループでも300人規模の集会が開かれた。この条文は、「学校の教科書で海外、とくに北アフリカの仏植民地支配がプラスの役割を果たしたことを認める」というもので、今年3月にUMPの提案で、植民地からの本国送還者・アルキ(アルジェリア戦争の際フランス側についたアルジェリア人)関連の法への追加が国会で承認された。11月29日、社会党はこの条項削除のための法案を提出したが、国会で否決され、議論が再燃していた。 ●EDFが6000人の雇用削減を発表 フランス電力公社(EDF)は12月7日、2007年末までに6000人の雇用削減を行うと発表した。経営陣は、今後07年末までに退職する約9000人の補充を3分の1にすることで削減を実施し、解雇はないとしている。株式の一部を上場したばかりのEDFの「株価を引き上げるための投資家向けパフォーマンス」と、労組は雇用削減策を非難している。 ●プチパレが大改修を終えてオープン 改修工事で5年間閉鎖されていたプチパレが12月10日に再オープンした。15 000m2の床面積が22 000m2に拡大され、そのうち5000m2が常設展(所蔵品45 000点のうち1300点を展示)に、2400m2が企画展に充てられる。来年4月にはペルー先史時代美術展が予定されている。 |