「これまでもいろいろな機会で警告を発してきたが無駄だった。郊外でも新しい道があることを知らそうとしてきたが、それも無駄だった。都市と郊外の間の不平等が深まるばかり。そのうえ、共和国が、政治的野心に燃える一大臣(サルコジ内務相)の口を借りて、郊外の若者たちへの軽蔑をはっきりと主張したことは、(郊外に対する)象徴的な侵害行為だ」
15年来、セーヌ・サン・ドニ県の各高校で、生徒を対象にした文章教室を開いているフランソワ・ボンの発言。 |
+8400台 都市郊外の若者たちの暴動で、10月20日から11月13日までに放火された車の数。ピークは11月6日から7日にかけての夜で1408台が炎上。
2652人 12万7000人
60% |
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11月18日から20日にかけて社会党の党大会がル・マンで開催され、2007年の大統領選に向けた党方針についての〈総括〉が賛成多数で承認された。これによって、オランド第一書記が引き続き党内を統率することになり、EU憲法賛否を巡っての1年半にわたる内部分裂にひとまず終止符が打たれた。ストロース=カーン元経済相や反主流派と結束したファビウス元首相はそれぞれの政策を発表したが、最終的には党の〈総括〉に賛成。新社会党(NPS)を率いるモントブール氏は孤立した形だ。 |
●仏人テロ容疑者、フランスへ引き渡し決定 英国の最高法院は11月17日、1995年のパリ地下鉄テロに関与したとされるアルジェリア人、ラシッド・ラムダ容疑者のフランスへの引き渡しに対する異議申し立てを却下した。仏司法当局は、ラムダ容疑者がパリのメトロを標的とした一連の爆弾テロを金銭面から支援したとみており、同容疑者が95年11月にロンドンで逮捕されて以来、英司法当局に身柄の引き渡しを求めていた。クレマン仏法相によると、引き渡しは数週間以内に行われる。 ●500万人がEDF株購入に応募 ブルトン経済・財務相は11月18日、仏電力公社(EDF)の公開株の価格を個人投資家向け32ユーロ、機関投資家向け33ユーロに決定したと発表した。同日時点ですでに485万人の個人投資家が応募しており、同相はEDF株公開を「大成功」と評価。今回放出される15%の株式のうち、半分が個人投資家、35%が機関投資家、残り15%がEDF職員に割り当てられる。 ●来年度予算案、国民議会で可決 国民議会は11月23日、2006年度予算案を与党、民衆運動連合(UMP)の賛成多数で可決した。仏民主連合(UDF)議員の大半と野党は反対票を投じた。直接税(所得税・富裕連帯税・住居税・不動産税)の税率の上限を60%とすること、所得税の区分を現行の6つから4つにし、最高税率を48.09%から40%に引下げ、また控除の限度を世帯当たり8000ユーロ(扶養家族1人につき1000ユーロプラス)とするといった税制改正が盛り込まれた。 ●ドイツ首相、就任後初めての訪仏 11月23日、アンゲラ・メルケル独首相は就任後初の外遊で訪仏し、エリゼ宮でシラク大統領と昼食を共にした。両氏は、シュレーダー前首相時代と同様に6~8週間ごとの非公式仏独首脳会談を継続し、今後も欧州連合の構築とさらなる発展のために仏独が緊密に協力していくことを確認した。 ●航空券課税に航空業界反発 発展途上国のエイズ・マラリア・結核対策への援助金に充てるため、フランス発の全航空券に連帯貢献税を課すことが、11月23日の閣議で決定された。年間2億ユーロの税収が見込まれるこの新税は国会の承認を経て、来年7月1日から導入される予定で、航空券の種類によって1~40ユーロとなる見込み。もともとシラク大統領が国際社会に提唱したこの税は、現在チリしか実施していない。エールフランス・KLMのグルジョン副社長は、「何十億ユーロの赤字を抱えている航空業界からさらに何十億ユーロを引き出そうとするのは経済的にナンセンス」と猛反発。 |
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