「前触れももなしに勤務先を変えられてしまう。長期的な展望のない方針を押しつけられる。さまざまな権利の価値が低下している。私たちも、みんな同様に奴隷だ」 10月4日の全国デモに参加した、IBM管理職の一人。 「デモを通じても選挙を通じても私たちの声は届いていない。政府の顔ぶれはかわっても内容はそのまんま」 10月4日の全国デモで、エソンヌ県の若い教員。 「どちらかというと当惑している。そんな柄ではないし、対象となった研究も40年前のもの。定年退職した私の生活は変わらない。これまでのように庭仕事を楽しみたい」 2005年ノーベル化学賞を受賞したフランス石油研究所のイヴ・ショーヴァン名誉研究部長(74)。 |
1964年パリで、11歳の少年を殺害した罪で終身懲役の刑を受け、フランスでは最長記録の41年間服役した、リュシアン・レジェさん(68)が10月2日に釈放された。 服役中も終始無罪を訴え続けていたが、「私は誰も殺してはいない。誰にも害を与えるつもりはないが、周りの人たちが私に警戒の念を抱くのは理解できる」と声明。
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41% Sofres社が最近行った世論調査によると、欧州連合に加盟していることで生活が苦しくなったと考えているフランス人は41%。生活が楽になったは22%。また56%が、失業対策はヨーロッパレベルでなく国内問題として扱われるべきだと考えている。 2660億ユーロ
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600万点 今年8月までに交通違反による運転免許の減点数は600万点に達し、年末までに昨年度の倍にあたる900万点が見込まれている。原因は道路各所に設けられたレーダー速度測定機。年度末までに14万件の運転免許取り消し処分が予想されている。 |
●4日のデモに100万人参加 10月4日、「雇用維持と購買力向上」を要求して全国で労組によるストライキとデモが行われた。労組側は115万人が参加し、成功裡に終わったと発表(警察発表は47万人)。1240人の人員削減が予定されているヒューレット・パッカードなど民間企業に加え、郵便局で23%、EDF25%、教員など公教育関係37%、国鉄32%の労働者がスト。●ノーベル化学賞にフランス人 スウェーデンの王立科学アカデミーは10月5日、2005年度ノーベル化学賞を米国のロバート・グラッブズ教授(63)とリチャード・シュロック教授(60)、そしてフランス石油研究所名誉所長のイヴ・ショーヴァン氏(74)の3氏に授与すると発表。受賞理由は、医薬品やプラスチック製造に利用される「メタセシス反応」の発展に貢献したため。 ●経済成長率伸びず 国立統計経済研究所(INSEE)は10月5日、2005年度の経済成長率を1.5%以下とする予測を発表した。記録的な貿易赤字が経済成長を圧迫し、製造業の不振、消費の停滞によって、政府予測の2.25%は「今後よほどの加速がないと無理」。 |
●欧州人権裁判所、フランスの 非を認める 欧州人権裁判所は、10月6日、「反ぺルッシュ法」を過去にさかのぼって適用したとして、仏政府に非ありとの裁決。これは、出産前検査のミスで1996年と1997年にそれぞれ障害児を出産した2組のフランス人夫婦が訴えていたもの。この夫婦らは仏国内の裁判で親としての精神的損害への賠償金は得たが、障害児本人への損害賠償は反ぺルッシュ法の成立(2002年3月)直後に拒否された。欧州人権裁は、障害児本人への損害賠償を認めた2001年の「ぺルッシュ判例」で認められた2夫婦の権利を、反ぺルッシュ法の遡及適用によって剥奪したとして、仏政府に非があるとし、2夫婦への損害賠償の支払いを命じた。 ●4年ぶりのFN祭、ルペン氏自信満々 ルペン氏率いる国民戦線(FN)はブールジェで10月7、8日の両日、4年ぶりに同党の集会〈青・白・赤祭り〉を開催し、同氏を擁立する2007年の大統領選に向けての実質的なキャンペーンを開始。2002年の大統領選以来、ルペン氏の娘、マリーヌ・ルペン氏の派閥と党のナンバー2、ブリュノ・ゴルニッシュ氏らとの間の内部対立が続いていたが、大統領選に向けて結束を固めた格好だ。 ●SNCM、一部でスト収拾 9月20日以来、民営化に反対してストを行ってきた海上輸送会社、SNCM(コルス・メディテラネ公社)の労組は10月8日、マルセイユ自由港(PAM)がストを一旦中断して10日から操業を再開することを決めた。ドヴィルパン首相は9日、「解雇なし、船舶の分割なし、事業部ごとの分割なし」と譲歩する条件を出し、主要労組のCGTが国の株式保有率51%に固執しない意向を示したことで、国・経営側と労組との協議が進展することが期待されている。 |