中道右派に属するフランス民主主義連合(UDF)のフランソワ・バイルー総裁は、同党がドヴィルパン内閣へ参加することを拒否したが、この立場に逆らって一人、教育相としてがんばっているのがジル・ドロビアン(64)。就任早々、教師や高校生たちから強い批判を浴びたフィヨン前教育相による教育改革法の施行を一時中断することを発表し、対話の姿勢を示した。常に礼儀正しく、また丁寧な言葉を選んでの話しぶりなど、政界の中では異例の存在だが、やはり育ちの良さが大きく影響しているようだ。 1941年ソンム県コックレル村の城の中で生まれる。家は13世紀から続くという古い貴族で、今でも広大な森と畑を所有している。厳格なカトリック教育を受け、法学部卒業後保険業界で成功する。30歳代で政界に入るが、「公に尽くす」ことを第一にしていた母親の影響が大きいという。45歳で国民議会議員に選出され、3年後にはアミアン市の市長に。そして2002年に運輸相という大臣職に就く。 公立学校に通ったことがない教育相は、交渉上手で評判だが、果たして教員組合や父兄組合相手に通じるかどうか。(真) |