「欧州連合誕生の立て役者であるフランスのNONは、欧州憲法に終止符を打ったようなものだ。この失敗の責任は、誰よりもまずシラク大統領に帰すべきであり、彼に誇りというものがあるのなら、即刻辞任すべきである。経済の悪条件が、フランス人固有の、きわめて利己的な事なかれ主義に拍車をかけ、自分たちの特権を守ることだけに目を向けさせたのだ」
スペインの日刊紙〈El Mundo〉(中道右派系)の社説。スペインでは2月20日に欧州憲法条約批准の国民投票が行われ、76.49%が賛成。 |
6月9日午前8時、例年通り「哲学」を皮切りにバカロレア(大学入学資格)の試験がフランス全国4112カ所で始まった。今年の受験生は約63万人で、最年少は13歳、最年長は71歳。合格発表は7月4日で、それまで約13万人が答案の採点にあたる。昨年の合格率は79.7%だった。
終わったばかりの「哲学」について、友だち同士話が弾む。 |
1.22ドル フランスとオランダの国民投票で、欧州憲法条約が拒否されて以来、ユーロ高に変化の兆し。国民投票前は1ユーロ、1.26ドルだったのが、国民投票後は1.22ドルに。円も136円が132円に。 52%
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8500万個 2004年度にフランスで買われたコンドームは8500万個。エイズが猛威を振るっていた10年前の1995年に比べると、1000万個減。 82.51% |
●ドヴィルパン内閣誕生 6月2日、サルコジ新内務相との双頭内閣ともいわれるドミニク・ドヴィルパン内閣が誕生した。ミシェル・アリオ=マリ国防相、ジャン=ルイ・ボルロー雇用相、ティエリー・ブルトン経済相はそれぞれ留任。フィリップ・ドゥスト=ブラジ前厚生相は外務相に、ジル・ドロビアン前運輸相は教育相に格上げ。ドミニク・ペルベン前法務相は運輸相に格下げされ、法務相にはパスカル・クレマン。教育法改革で批判を浴びたフランソワ・フィヨンは閣外へ。閣僚32人のうち23人をシラク派で固め、サルコジ派は3人のみ。 ●シラク大統領の人気ガタ落ち 6月3日から4日にかけてリベラシオン紙が行った世論調査によると、シラク大統領の支持率は、5月初めの42%からなんと16%落下してわずか26%。ドヴィルパン新首相の支持率も、任期はじめとしては異例のわずか41%。 ●ローランギャロス杯 テニス全仏オープンのシングルス決勝が、6月4日と5日に争われた。女子シングルス決勝は、ジュスティーヌ・エナン=アデン選手(ベルギー)が、強烈なバックハンドを決め、6-1、6-1でマリー・ピエルス選手(フランス)を破り、2003年に続いて2度目のローランギャロス杯獲得。男子は、19歳のラファエル・ナダル選手(スペイン)が、マリアノ・プエルタ選手(アルゼンチン)を6-7、6-3、6-1、7-5で破って初出場で初優勝。 |
●今度はフレジュス・トンネルで火災 6月4日午後4時ごろ、フランス(サヴォワ県)とイタリア(ピエモンテ州)を結ぶフレジュス・トンネル(全長12.9km)内で、タイヤを積載していたトラックから出火し、他の長距離トラック5台も炎上。7時間後にようやく鎮火されたが、死者2人を出した。同トンネルが再び開通するまでには数カ月以上かかる予定。この火災以降、1999年に炎上して死者39人を出したモンブラン・トンネルを通過する長距離トラックが、一日約5000台とふだんの3倍以上になっている。6月7日、この通行量は環境破壊につながるとして、シャモニー市の住民約300人が同トンネルの通行を妨害するデモ。 ●フィヨン法は一時お預け 6月6日、ドロビアン新教育相は、「対話を重視したい」とし、各教員組合や高校生たちから強く非難された教育基本法(フィヨン法ともいわれる)の施行を一時中断すると発表。 ●サッカーフランス杯はAJオセール 6月4日、サッカーのフランス杯決勝が、スタッド・ド・フランスで行われた。ロスタイムに決勝点をあげたAJオセールが、2部リーグのスダンを2-1で下し、4度目の優勝を果たした。これでオセールは欧州連盟(uefa)カップの出場権も獲得。この勝利をおみやげに、同チームで1961年以来監督を務めてきたギ・ルー(66)は引退を表明した。 |