「若い人たちは一人400ユーロもするようなレストランには出向かない。一つのテーブルに給仕するために10数人近くが行ったり来たりするようことは時代遅れだ。(…)私たちは誇りと贅沢のトリコになっていたんだ。65歳を契機に新しいことをやってみたい」
ミシュランガイドの三つ星を返上した〈ルカ・カルトン〉のシェフ、アラン・サンドランス。 「失業率が10%という事実を認めるわけにはいかない。あらゆる策を尽くしたというのは真実ではない。あれやこれやの取るに足りない対策で満足していることはできない」 欧州憲法条約批准国民投票以降に内閣改造が噂されているが、首相就任への野心をみせるヴィルパン内務相。 |
83.4% フランスで消費される電力の83.4%は原子力発電でまかなわれている。火力発電は8.2%、水力発電は7.6%。この数字はフランス電力公社の請求書に記載されている。
370万人
140億euros |
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5月21日、第58回カンヌ国際映画祭が閉幕。審査委員長エミール・クストリッツァ監督の強い支持を得てパルムドールに輝いたのはベルギーのダルデンヌ兄弟監督作品『L’Enfant』。両監督は1999年に『ロゼッタ』で最初のパルムドールを獲得している。 『Cache』でやはり2度目のパルムドールが噂されていたミヒャエル・ハネケ監督は監督賞で涙をのんだ。 主演女優賞はイスラエル映画『Free zone』のハンナ・ラズロ、主演男優賞は、初監督作品『The Three Burials of Melquiades Estrada』で自ら主演したトミー=リー・ジョーンズへ。 |
●ミシュランガイドの三つ星返上 ミシュランガイドの三つ星レストラン〈ルカ・カルトン〉の名シェフで、ヌーヴェル・キュイジーヌのパイオニアとして知られているアラン・サンドランスは、〈ルカ・カルトン〉の三つ星を返上し7月半ばに閉店、9月半ばから同じ場所で一人100ユーロ前後で食べられる店を開きたいと発表し、暗黙のうちに高級レストラン重視のミシュランガイドを批判。 ●聖霊降臨祭翌日の月曜、大混乱 2003年の猛暑で高齢者約1万5000人が死亡。その直後、高齢者対策の遅れを強く指摘されたラファラン首相は、2005年から労働者に聖霊降臨祭翌日の休日にあたる月曜を返上して働くように義務づけ、その1日分の社会保障額20億ユーロを高齢者対策資金にまわすことを決定。これに対し、各組合が猛反対。教員組合や父兄連盟などは不登校を呼びかけた。当日の5月16日、組合の発表によれば、小学校では50%が欠席、中学・高校では85%から90%が欠席。郵便局などでも局員の50%がスト。観光名所もふだんより人出が減り、たとえばシュノンソー城では30%減。トータル石油の各組合は、16日から、この一日分の給料支払いを要求してストに突入した。20日、会社側は組合の要求を受け入れた。 ●哲学者ポール・リクール死去 5月20日、フランスを代表する哲学者、ポール・リクールが、パリ郊外の自宅で老衰のため死去。92歳だった。神話や聖書解釈、精神分析など幅広い領域のテーマを取り上げながら現代哲学に新局面を開いた。著書に『フロイトを読む』、『他としての自己自身』など。 ●コルシカ独立運動リーダーに重い判決 5月20日、パリ軽罪裁判所はコルシカ独立運動のリーダーの一人、シャルル・ピエリ被告(54)に、公金横領などの罪で懲役10年の判決を下した。コルシカ地方圏議会議員で独立運動の政治的リーダー、ジャン=ギ・タラモニにも懲役2年が求刑されていたが、同裁判所は証拠不十分として無罪の判決。 ●ラグビー欧州杯はトゥールーズに 5月22日、スコットランドのエジンバラで、ラグビー欧州杯の決勝が、スタッド・トゥルザン(トゥールーズ)とスタッド・フランセ(パリ)のフランス勢の間で争われた。トゥールーズは後半終了間際まで6-12とリードされていたが、土壇場でミシャラックが2ペナルティーと1ドロップを決めて18-12 で逆転勝ち。3度目の欧州杯を手に入れた。 ●欧州憲法国民投票で社会党分裂直前か この号が発行された時には結果が分かっている欧州憲法条約批准に関する国民投票。直前の世論調査では反対票が52%から54% と賛成票を上回っている。党内投票で賛成を決めた社会党だが、ナンバー2のローラン・ファビウスなどが積極的な反対キャンペーンを繰り広げ、分裂直前の騒ぎ。 |
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