コートジボワール北西部の村で生まれたティケン・ジャー・ファコリーは今年36歳。「数世代前からコートジボワールに住みついていたマリ人やブルキナファソ人を追放する政策に、ずっと反対してきた。反乱軍と目標は同じだが、用いる武器が違っているだけ」と、彼の主張をレゲエで歌い続けている。2年前のアルバム『フランサフリック』が大ヒット。新作の『Coup de gueule』でもスライ&ロビーのリズム陣をバックに、「Quitte le pouvoir, Monsieur le Président, si vous aimez votre peuple, quitte le pouvoir! 権力を放棄しなさい、大統領、国民を愛しているなら権力に見切りをつけなさい」と高らかに歌っている。 バグボ大統領の政策にはっきり反対の立場をとったファコリーは、大都市アビジャンなどでコンサートができなくなり、故国を離れ、フランスに移住し、現在はパリ郊外に家族ともども住んでいる。2003年にはVictoire de la Musique賞を受賞。「フランスの生活も楽ではない。お金はあるのに、家族3人で住めるような相応のアパートを誰も貸してくれないからね」(真) |