バスティーユのオペラ座の裏道にあるOPA(Offre Publique d’Ambiance)は、最近ライブハウスとしておもしろいプログラムをたくさん企画している。中2階のレストランがなくなり、バーカウンターで気楽に飲みながら、音楽が楽しめる。 〈Japan is not only sushi〉というタイトルで、コンサート、展覧会、パーティーなどを定期的に企画しているAtom (atominthesky@noos.fr)という協会が、20日(土19h-2h)に日本のDJたちとソワレを催す。発起人のアルノーは、日本に何度も行き、ミュージシャンとの交流も多い。日本とフランスを行き来しているDJたち(Fisherman-price, Umaibo daisuki, Venus fly trapp)に加え、ビジュアルアーティスト(Ai-Hz)も参加。culotteの洋服、グラフィックアーティストによる名刺のデザイン、カップヌードル、梅酒サワーのスタンド。お祭り気分のDJナイトになりそう。 前日の19日(金)の夜は、パリで活動をしているダンサー亀谷優子さんと映像アーティスト、エレクトロミュージックによるダンスパーフフォーマンスがAssociation Aikaの企画で行われる(20h30から30分間)。(尚)
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ベルリンを中心にヨーロッパで音楽活動をしているODD(1月に出演予定)。 9 rue biscornet 12e 01 46 28 12 90 www.opa-paris.com |
●Resonances 2 今年の春から始まったエスパス・ジャポンの即興を中心にしたジャズフェスティバル第2弾。 27日は、ニュージーランド出身の若いテナーサックス奏者、ルシアン・ジョンソンのトリオだ。ジョンソンのテナーは豊穣な音色のパレットを持ち、流動的なリズム感、エモーションをあらわにすることをおそれない真摯さ…そこから生まれるしなやかな空間で、ファリス・スミスのベースと佐藤真のドラムスが、気持ちよさそうに即興ダンス。弱音でいながらダイナミック、強音でいながら優しい音世界が広がる。 28日は、アルトサックスの仲野麻紀、ギターのタハール・ブクリファ、ドラムスの佐藤真からなる即興バンド。これが2度目の公演だというが、新グループならではの、おたがいの音の動きに敏感で、緊張感溢れるインタープレーが楽しみだ。ブクリファの熱い歌心、ふだん以上にソウルフルに迫る仲野のプレーに注目したい! いずれも19h。 |
10€/8€(前売り01.4700.5733)/ 5€(会員)。 Espace Japon : 9 rue de la Fontaine au Roi 11e |
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●Mory Kante “Sabou” (Riverboat) モリ・カンテが久々の傑作アルバムでボクらに戻ってきた。1970年代末期には、西アフリカ、マリの首都バマコのレール・バンドでサリフ・ケイタと並ぶスターだったカンテ。80年代には『イェケ・イェケ』をヒットさせ、ワールド・ミュージックの旗頭として活躍。西欧市場を意識しすぎてつまらない作品も続いたが、この新作では、アフリカのルーツに戻ったかのように、伝統楽器を中心にした、サバンナの乾いた大地、その上を吹いていく熱い風が感じられるようなサウンドになった。そういえば、ケイタの新作『モフー』もアコースティックなアフリカ色が前面に出ていたし、これが売れ筋中心の「ワールドミュージック」路線から脱しようとする動きの現れだとうれしいなあ。 素晴らしい早さで上昇したり下降したりするコラやバラフォンの絡み合い、ひょうひょうとした笛の響き、さまざまな打楽器から生まれるポリリズム、そこからコブシのきいたカンテのボーカルが浮かび上がるときのスリル感。それを女性のバックコーラスがさらにあおっていく。ルーツに戻ったといっても、ついつい踊りたくなってしまうようなポップ感覚を失っていないのはさすが。コラを弾きながら楽しそうにステップを踏むカンテの姿が目に浮かぶようだ。 タイトル曲もいいが、ボクのお気に入りは、早いテンポの『カンカン』。3年前のオヴニー〈ジェンベ〉特集でインタビューに答えてくれたモハメッド・バングラが、みごとなソロをとっている。(真) |
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