●Histoires inedites du petit Nicolas
これはちょっと早めのクリスマス。というのも、突然、書店に楽しげな大著が転がり込んできたからだ。この『Histoires indites du petit Nicolas』は80のお話(これまでに出版されていたものの約5倍!)からなるが、これまで日の目をみることはなかった。
本書でもこれまでと同様、ニコラ坊やとその仲間たちや学校の女の先生、両親、お隣さんたち(もちろんお隣のお嬢ちゃん!)のお話が盛りだくさんだ。文体は易しいが簡略的ではなく、そこには著者のユーモアはもちろん、無限の優しさが溢れている。そして見事な落ち。
おなじみのニコラの姿が見られるのはもちろん、ニコラの家や、ニコラのお父さんの幼なじみ、そして新任の女の先生など、ニコラ坊やの世界の新しい側面がみられる。懐かしい「プチ・ニコラ」の世界、そして新しい「プチ・ニコラ」の世界、読書の喜びは二重だ。この秋・冬の大きな文学イベントであることに間違いはない!
(文:jeremie/訳:樫)
追記:Sempeのイラストはいつものように、見事で素晴らしく、言葉は無用だ。
Goscinny (textes)
et Sempe (dessins) IMAV Editions,640 p. 26€(お得!)
●今年の文学賞
ゴンクール賞:
– Laurent Gaude Le Soleil des Scorta
(Actes Sud)
フェミナ賞:
– Jean-Paul Dubois, Une Vie franaise
(Ed. de l’Olivier)
メディシス賞:
-Marie Nimier, La Reine du silence(Gallimard)
ルノドー賞:
Irene Nemirovsky, Suite francaise(Denoel)