「おい、気をつけた方がいいぞ。十分に気をつけた方がいいぞ!」 4月27日、国民議会で社会党のエマニュエリ代議士に「滑稽な奴(Guignol)」扱いされたサルコジ経済相の返答。ドブレ議長は「大臣には冷静さが必要とされ、代議士を脅かすような発言は避けるべき」と苦い顔。 「5年間のジョスパン内閣の結果、フランスは反ユダヤ主義の国、と米国人は思うようになった」 4月28日、やはり国民議会で社会党代議士が、サルコジ経済相の最近の米国訪問について質問したが、それに対するサルコジ経済相の答弁。この答弁に抗議して社会党議員は一斉に席を立った。右派の間でもサルコジ批判の声が強まった。 |
732人 6月13日、EU拡大以降初の欧州議会議員選挙で選ばれる議員数。(現在の議員数は626人)。 70件 治安に関する国立倫理委員会の発表によると、2003年に同委員会まで訴えられた警察の行き過ぎ行為の件数。2002年度は40件だったから、ほぼ倍。昨年11月21日、サルコジ前内務相は、「この19カ月間、警察の行き過ぎはゼロ」と大いばりだったのだが…。 67件 2004年の1月から4月にかけて、公式に届けられたユダヤ人排斥行為は67件。前年度の同時期は42件だった。 20万人 |
欧州連合の旗。 1985年、当時の欧州共同体(EC) 加盟国によって公認された。 円を形作る12の星は、「団結」と「完璧さ」の象徴で、欧州連合加盟国数とは関係なく、25カ国に拡大されても変わらない。 |
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●登山家パトリック・ベロー墜落死
フランス有数の登山家パトリック・ベローとフィリップ・マニャンは、3月2日から、アルプス山脈の4000m以上の山々を連続登頂するという快挙をねらい、すでに66の頂を極めていたが、4月28日、スイスアルプスの4400m地点で雪庇(せっぴ)がくずれ、パトリック・ベローは600m墜落して死亡。47歳だった。 |
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●ユダヤ人墓地荒らされる 4月29日深夜過ぎ、アルザス地方、コルマール市近くのエルリスハイム町にあるユダヤ人墓地で、墓石が倒されたり、墓石に鉤(かぎ)十字を記すなどの破壊行為があった。「この恥ずべき行為の責任者を必ず見つけだし、厳罰に処すことを確約したい」とシラク大統領。5月1日、ヴァランシエンヌ市のシナゴーグの壁にも鉤十字やナチスを称える落書きが。 ●ワインの広告許可される? これまで、アルコール飲料の広告はエヴァン法で禁止されていたが、5月5日、上院は、フランス産ワインに限って広告を許可する法令を可決した。国民議会でも承認されると、テレビや雑誌などにもボルドー産やブルゴーニュ産ワインの広告が堂々と登場することになる。これに対して「アルコール飲料が原因でフランスでは毎年4万5000人が死亡している」、「5年間でアルコール飲料の消費を20%減らすという政府の立場と矛盾する」などと医療界を中心に強い抗議の声。 ●ドゥスト=ブラジ厚生相の猛暑対策 昨年夏の猛暑でお年寄りを中心に約1万5000人が亡くなったが、5月5日、ドゥスト=ブラジ厚生相は猛暑対策を発表。それによると、救急病院、気象庁、消防署、各老人ホーム間のつながりを緊密にし、猛暑危険度を4段階に分けてテレビなどを通じて随時発表する。「1」では病院および気象庁が警戒態勢に入る、3日以上高温が続くと「2」になり厚生省が指揮をとる。「3」段階になると厚生省が各県知事に出動の可能性を通知。「4」になると県知事に指揮権が移り、冷房の整った施設を徴用するなどの緊急措置をとることになる。 ●ラファラン首相、TV記者会見 5月6日、ラファラン首相が、地方圏選挙で大敗して以来初の記者会見。サルコジ経済相のスタンドプレーで他閣僚との亀裂が目立っていることについては「首相は政府というエアバスのパイロットであり、閣僚間に行き違いがあるときは、私が行き先を決める」と発言。また6月の欧州議会選挙で破れても辞任しない、と強気の態度。話題になっている同性カップルの結婚式については「本来の意図を外れた結婚式よりは、順調にいっている市民連帯協約(PACS)を優先させたい」と語った。 |