Poulet aux legumes du printemps
色あざやかな葉つきのニンジン、白く小さな玉ネギ、さやインゲン、さや入りグリーンピースなどが八百屋の店頭に並ぶと、春。こんな新野菜とトリを煮込んでみよう。
4人分として1.2キロくらいのトリを買ってくる。自分でさばけない人は、肉屋さんに頼んで四つに切り分けてもらうが、ガラも忘れずにもらってくること!
ちょっと面倒でも、そのトリガラでスープをとることにしよう。深めの鍋にトリガラを入れ、それがすっかりかぶるように2リットルほどの水を加える。中火にかけ、沸騰してきたらたんねんにアクをとる。ネギ1本、細かく切ったニンジン1本、丁字を2本刺した玉ネギ1個、ブーケガルニを入れ、ふたたび沸騰してきたら塩、コショウ。40分くらい煮るだけだ。
切り分けたトリに塩、コショウ。底広の鍋に、バター30グラムと油大さじ2杯をとり、トリを加える。火は中弱火。フタをして時々ひっくり返しながら15分たったら、四つあるいは六つくらいに切り分けたニンジン、きれいに洗った皮付きのままの小さな新ジャガ、やはり小ぶりの新玉ネギ、サヤインゲンなどを加える。フタをして、時々ひっくり返しながらもう20分、トリにもきれいな焼き色がついてくるだろう。こわさないようにとり出し冷めないようにアルミホイルでもかけておく。
鍋に残っている油は未練なく捨てる。でも鍋は洗いません。ここに、白ワインとさっきとったスープをそれぞれカップ1杯ほど加える。木のヘラで鍋にこびりついているうま味を溶けこますようにしながら煮詰めていく。火から下ろし、細かく切り分けたバター30グラムを混ぜ入れてとろみをつけるだけだ。トリを各人の皿に盛りつけ、このソースを上からかけ、きざんだパセリを散らせばでき上がりだ。
野菜は好みで、アスパラガスやアルティショー、グリーンピースなどもおすすめだ。
ワインはボージョレの銘酒かな。(真)
1.2キロくらいのトリ一羽、ニンジン4本、ネギ1本、玉ネギ1個、、小さな新玉ネギ12個ほど、小さな新ジャガ適量、サヤインゲン適量、バター60グラム、油、ブーケガルニ、パセリ、丁字2本、塩、コショウ。
●トリのソテー、ノルマンディー
上記のようにトリを30分ほどソテーする。白く仕上げたいので火は弱め。トリをとり出し冷めないようにしておく。鍋の底に残っている油を捨てる。白ワインを1カップ加える。ノルマンディー風にシードル酒にするのもいい。鍋の底にこびりついているうま味を溶けこませるようにしながら、大さじ2杯くらいになるまで煮詰めてしまう。最後に生クリームを200cc加え、少々煮詰めてとろりとしてきたらソースのでき上がり。トリの上からかけて食卓へ。付け合わせはバターライス。
●monter au beurre
monterは材料を泡立てたりしながら、「ボリュームを出す」という意味で使われることが多い。たとえば、monter des blancs en neige fermeは、卵白を固めに泡立てること。monter au beurreは、今回のレシピのように、ソースにバターを加えてなめらかなとろみをつけることだ。ソースを火から下ろして最後にバターを入れること、バターは冷たいものを使い、小さく切り分けておき、少量ずつ加えていくこと、泡立て器で絶えず混ぜ合わせること、できあがったら、もう火にかけないこと、などが大切なコツ。
●トリガラのスープが残った!
今回のレシピでは、トリガラからとったスープがたくさん残ってしまったでしょう。うれしいなあ。ここに、ジャガイモ、ネギ、クルジェット、カリフラワー、セロリなど、好みの野菜を小さく切って加えて火にかけ、野菜が柔らかくなったらミキサーにかければ、素晴らしいポタージュに変貌だ。干しエビをひとつまみ加えてしばらく煮込めば、ラーメンに最適のスープ。コショウをきかせたい。
●台所の本|Légumes du printemps
3年前に紹介したことがある、春から初夏にかけて出回る野菜のレシピを集めた一冊。いかにも “ELLE”
らしい、手間がかからず、ヘルシーな料理が並ぶ。アルティショーとソラマメのタジン、アスパラガスの瓶詰め、ナスとトマトのラザニア、ニンジンの冷製スープ、クルジェットとアンチョビーのサラダ、ホウレンソウのミルフィーユ。ボクがよく作るのは、ネギのオリーブ油炒め、ゴマ風味や赤ピーマンの干ダラ詰めなど。どんどん野菜を食べて元気になろう。(真)