6月の裁判で無罪判決を受け、クレディ・リヨネ銀行不正経理関与の容疑が晴れたジャン=クロード・トリシェ(60)が、11月1日、欧州中央銀行総裁に就任した。仏中央銀行総裁時代には〈l’ayatollah du franc fort 強いフランのアヤトラ〉とあだ名されたくらいに、「強いフラン」維持に努めた。現在ユーロ圏諸国では、ユーロ高で輸出にブレーキがかかり、政治サイドから利下げの圧力が強まっているが、トリシェ総裁は、就任前日にも「安定した強いユーロのために全力を尽くす」と発言してアヤトラの素顔をちらり。
1942年リヨン生まれ。父は大学教授。ENA(国立行政学院)卒業後、左派のベレゴヴォワ内閣、右派のバラデュール内閣の顧問として信頼を集め、1987年に財務省国庫局長、1993年には仏中央銀行総裁に就任、というエリート街道をまい進。 |
“Tout faire pour un euro stable et fort .” “La poésie, c’est un bien public comme la monnaie: elle est populaire, elle est inaltérable.” |