2001年にM6で放映された『Loft Story』で、「野心がありすぎる」、「大口をたたく」などと一番評判の悪かった女性がケンザ。郊外団地のマグレブ系の友人たちにも「ロフトで見せ物のようになるなんて」と裏切り者扱い。そのケンザが『Un jour j’ai quitt a Bagdad/ある日、私はバグダッドを去った』という本を出した。 ケンザは、1976年にバグダッドで生まれているのだ。本名はマナル・ブライガ。父はイラク人の医師で、恵まれた少女時代を送るが、1991年の湾岸戦争で、アルジェリア出身の母や妹たちとイラン国境を経てフランスに亡命する。本の中で長々と綴られているその痛ましい思い出が、今度のイラク戦争でよみがえる。「なんの罪もない人たちが、ブッシュ大統領の気まぐれで死んでいくのを見ると…もう無関心ではいられない」。テレビのトークショーで、イラク戦争に賛成する映画作家ロマン・グピルなどに激しく抗議し、『ロフト』のケンザとは違った素顔を見せ、かなりの説得力があった。(真) |
“Et puis voir tous ces innocents mourir à cause d’un caprice de Bush… On ne peut pas rester insensible.”
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